アニメ最新作は「市民球団カープ誕生物語」 球団存続危機、市民が「たる募金」で救ったエピソード描く 広島市の紙芝居作家
広島市西区の紙芝居作家いくまさ鉄平(本名・福本英伸)さん(68)が、被爆後の広島の復興をテーマにしたアニメを相次いで制作している。最新作は「市民球団カープ誕生物語」。球団存続の危機を市民が「たる募金」で救った草創期のエピソードを描く。 【写真】1957年初点灯した広島市民球場のナイター照明 「カープ誕生物語」はマツダスタジアム(南区)の完成(2009年)を機に自ら作った紙芝居を基に、脚本を練った。球団存続のための資金集めや後援会づくりにも奔走した初代監督石本秀一さんの奮闘を軸に、市民のカープ愛を描く。 「絶望の中でやっと手にしたカープを失いたくないという市民の熱意を描きたかった」といくまささん。声優や音楽など約20人のスタッフは知人が務め、3カ月かけて46分の作品に仕上げた。 前作の「広島サッカー物語」(21年)は東洋工業(現マツダ)を5度の日本一に導いた被爆者の下村幸男さん(92)を主人公に、サッカーが復興に果たした歴史を描く。20年の全国都市緑化フェアひろしまを機に制作した「ヒロシマ緑の輪物語」は1950年代の「供木運動」がテーマ。いくまささんは「心の支えになるスポーツや緑の憩いを手弁当で育ててきた市民の心意気を感じてほしい」と語る。
中国新聞社