「コロナで見直されたクルマの楽しみ方」旧車で遊ぶ「MCNニューイヤーラリー」とは
日本でもっとも歴史あるクラシックカー・ラリーのひとつ
日本国内、ことに関東地方におけるクラシックカー・ラリー界の新しい年は、ここ数年「モーガンクラブ日本(MCN)」が主催する「MCNニューイヤーラリー」によって幕を開くのが通例となっているようだ。 【画像】ラリーに参加したクラシックカーを見る(27枚) 2022年も1月9日(日曜日)に開催されるということで、筆者も年始のごあいさつを兼ねて取材に伺うことにした。
●ワンメイククラブのラリーなのに、世界各国のクラシックカーが集結した理由とは? 国産車・輸入車を問わず、日本では今やたくさんのクルマで、オーナーのためのワンメイククラブが林立するようになった。なかでも英国製スポーツカー「モーガン」は別格。1980年代から早くもオフィシャルのオーナーズクラブが結成され、以来約40年にわたって活発な活動を継続的におこなっているという。 時代に応じてクラブの名称や形態は変化しながらも、現在の「モーガンクラブ日本」は、最初に発足したクラブ直系の組織であり、多くのメンバーが数十年にわたって在籍している。 そしてその看板イベントである「MCNニューイヤーラリー」は、その名のとおり毎年1月の第一週ないしは第二週に開催され、今年2022年で32回目を迎えるという。これは現存する国内最古のクラシックカー・ラリーイベント「コッパ・ディ小海」に匹敵するほどに長い歴史を誇るとのことなのだ。 ただし、このラリーにエントリーするクルマは、モーガンだけにはとどまらない。MCNメンバーは他ブランド・他国のクルマの愛好家たちとの交友関係も広い上に、メンバー自身も複数所有が多い。 それゆえ、今回のニューイヤーラリーには56台が出走し、1955年式「プラス4」から2019年式「4/4」に至る十数台のモーガンがエントリーリストに名を連ねた一方で、モーガン以外のクラシックカーの参加車両もバラエティに富んでいた。 たとえばいちばん年式が旧いのは、1941年型のキャデラック「60スペシャル」。ほかにも欧州車勢では、モーガンと同じ英国製のスポーツカーは1951年型ロータス「Mk6」を筆頭に、MGB/ミジェットやトライアンフ、ジャガーやジネッタなどが出走したほか、なぜか多いフィアット「ヌォーヴァ500」勢にアルファ ロメオ。ポルシェや国産クラシックカーの姿も見られた。 また、この種のラリーイベントでは珍しいクライスラーのオープンカーやパトカー仕様のシボレー・カプリスなどのアメリカ車、さらにはクラシック・レンジローバーまで走るという「ごった煮」のようなラインナップには目をみはらされたが、これもMCNニューイヤーラリーでは恒例のことである。 そしてこの日の朝もっとも注目を集めたのが、2023年春にアフリカで開催される予定の「イーストアフリカ・サファリラリー・クラシック(East Afirica Safari Rally Classic)」参戦に向けて先ごろレストアを終了し、この日がシェイクダウンテストとなった伊香保おもちゃと人形自動車博物館、横田正弘館長のダットサン「240Z」サファリラリー仕様レプリカだった。 この日は朝から晴天に恵まれながら、スタート会場に設定された「ホテル日航成田」周辺の気温はスタート直前まで氷点下。そしてエントラントたちは「極寒がまん大会ラリー」とも自嘲しつつ、表情は精気あふれる満面の笑顔。愛車に積もった霜を取り去って、スタートに臨むことになったのだ。