「弱すぎ(!?)」石破政権の誕生は、政界大再編の始まりなのか?
「維新、国民との連携を進める野田さんは、無党派層や自民支持層の一部まで取り込むべく、立憲の左傾イメージを払拭し、中道保守へとウイングを広げようとしています。そのため党の新執行部も保守・中道寄りの議員で固めましたが、党内左派からは恨みを買った。このあたりは石破首相と似たような党内状況にあるのです」(立憲関係者) また、「抜群に噛み合うはず」といわれる石破首相と野田代表の論戦についても、意外にも野党の側から不安の声が出始めている。 「皮肉なことに、石破さんと野田さんは政策的な立ち位置が似通っている。当面は石破首相の『逃げ恥解散』と裏金問題への対応に対する批判一本に集中する心づもりでしょうが、問題は石破さんが外交や防衛、経済などの主要政策の論戦に話をずらしていった場合です。 こうなると、論戦というより似た者同士の持論の投げ合いになってしまい、野党のポイントにならないのではないかとの見方もあります」(立憲関係者) 石破政権は「弱い」が、野党側も差し切れるほどの強さがあるかどうかは怪しい――そうなると、最もありそうなのは衆院選が「互いになんとも言えない結果」に終わり、与党も野党も足元がぐらつき、政界がますます流動化するというシナリオだ。 仮に石破政権が衆院選を乗り切っても、来年夏には参議院選挙がある。ここで自公が負け、衆参のねじれが生じると、いよいよ自公連立政権の終わりが見えてくる。そうなる前に、自民が維新や国民民主に秋波を送り、立憲との間で"取り合い"になる――。例えば、そんな「再編」もありえなくはない。 互いに弱さを抱え込んだ石破首相と野田代表の"相性"については、前出の安藤氏も懸念を口にする。 「石破さんと野田さんは、特に財政再建を進めるべきという立場が一致しており、その行き着く先は財政規律の強化、そして増税です。石破自民と野田立憲が消費増税で手を取り合うという局面が現実のものになりはしないかと心配しています」 自民、立憲の新体制に対し、今はまだ国会活性化、政治刷新への期待がある。ところが、両党が内部抗争に明け暮れてしまえば、その行く末は活性化ではなく「大混乱」。第1ラウンドの衆院選はどんな結果になるのだろうか? 写真/時事通信社