「弱すぎ(!?)」石破政権の誕生は、政界大再編の始まりなのか?
ちなみに、首相就任からわずか9日間での衆院解散は、戦後憲政史上最短記録となる。持論を曲げ、野党から猛批判され、"不名誉記録"を樹立してでも総選挙の勝利を取りにいった「逃げ恥(逃げるは恥だが役に立つ)解散」。しかし、それは本当に「役に立つ」結果となるのか? 毎日新聞が総裁選の直後に行なった世論調査では、「石破政権に期待する」と答えた有権者は52%だった。 「同じ毎日新聞の調査では、菅政権のスタート時は74%、岸田政権でも59%。石破政権の52%という数字は、石破さん個人の国民人気の高さを考えると、かなり低めです。ここで早期解散宣言という"手のひら返し"に加え、短期決戦を口実に裏金問題などでも煮え切らない対応をしていると、石破さんへの失望感がさらに広がる。 支持が低迷して厳しい選挙結果となれば、党内右派の突き上げを受け、短命政権に終わるシナリオも現実味を帯びてきます」(前出・鈴木氏) さらに言えば、政策の評判も危うい。得意分野のはずの安全保障に関して石破首相がブチ上げた「アジア版NATO」構想は、多くの専門家が「非現実的だ」「現状認識が20年前で止まっている」などと酷評。経済政策に至っては、金融所得課税強化の容認発言や緊縮財政志向がマーケットに嫌気され、就任早々から東証株価が暴落した。 ■立憲内にも火種。政界は流動化? そこで注目されるのが、野田佳彦新代表率いる立憲民主党の対応だ。 自民党の足場が揺らぐ中、野田代表は「野党議席を最大化させ、自公(自民・公明)連立政権を過半数割れに追い込む」という目標を明言。共産党とは距離を置く一方で、日本維新の会や国民民主党に選挙協力を呼びかけている。 この野党構図の「再編」、特にこれまで他党との選挙協力を拒んできた衆院第3党の維新との連携交渉は、選挙戦に大きく影響する可能性がある。 石破政権発足の段階では「空白(=現状で候補者を立てていない)選挙区の一本化」程度の話にとどまったが、母体である大阪維新の会・吉村洋文代表からは「自民裏金議員の選挙区では野党候補を一本化することに合理性がある」と、さらなる協力に前向きな発言も出始めた。 しかし、その「再編」の核となる野田立憲も、足元に火種が転がっている。