【ボクシング】新旧対決はキャリアで石田匠が石井渡士也に勝利
23日、兵庫県・三田市総合文化センター郷の音ホールで行われたバンタム級8回戦は、IBF世界スーパーフライ級13位で元同級日本王者・石田匠(29歳=井岡)が、日本ユース・バンタム級王者で日本同級10位の石井渡士也(19歳=REBOOT.IBA)をキャリアと技で上回り、78対74、77対75、79対73の3-0で判定勝ち。次期王者候補として注目される石井に初黒星をつけた。 写真=中盤線以降の打撃戦、加納(右)は踏ん張り抜き、判定を勝ち取った
身長で約10cm上回る石田が、距離を詰めたい石井を得意の左ジャブで止めてスタート。しかし2回、石井は入るタイミングを変えて、右アッパーカット、左ボディブローで石田の動きを止めてみせる。 この試合の山場となったのは3回だった。なおもプレスをかける石井に対し、石田が力感、スピードを増した右ストレートを立て続けに2発ヒット。左目上をカットし、明らかにダメージを受けた石井の動きがはっきりと落ちた。 両足に当初あった力が欠けて見える石井は、4回にステップでリズムを取り戻しにかかり、距離を詰めていこうとする。だが、キャリアに優る石田は左ジャブを基点に、サークルやいなしを使って、石井の攻撃をやりすごす。石井は時折、左ボディ、右アッパーで石田を脅かすが、こつこつとヒットさせる石田の左、右ストレートが、石井の攻勢を上書きしていった。 各ラウンドの前半は石井が攻勢をかけて石田を追っていくのだが、石田はそこでクリーンヒットを避け、後半をストレート系ブローで制していく。そういう展開が続いていった。右アッパー、左ボディと、折々にキラリと光るものを見せた石井だが、瞬間的な“出入り”の判断にキャリアの若さを感じさせた。逆に、そこを突いていく石田のベテランらしさが効果を上げた。 「(石井には)勢いがあったし、気持ちの強さもあった。けれど、こっちも気持ちを入れたよい練習を積めた。でも、ここで満足はできない。世界を目指しているし、必ず獲るので、こんなところでは負けていられなかった」 2017年10月に、当時WBA世界スーパーフライ級王者・カリド・ヤファイに敵地イギリスで挑み判定負け。昨年12月にはIBF挑戦者決定戦をイスラエル・ゴンサレス(メキシコ)と争い1-2の判定で敗れた石田。しかし、2度目のチャレンジを、まだまだ諦めていない。31戦29勝(15KO)2敗。