新型ホンダN-ONEが日本の「ミニ」や「フィアット500」になるかもしれない理由とは?
ホンダの軽自動車「N-ONE」の新型に今尾直樹が試乗した。自身もN-ONEを所有するからこそ、気が付いたポイントは? 【写真を見る】新型N-ONEの詳細(32枚) 旧型オーナーの筆者だからこそ気づいたポイント
新型N-ONEのグレード構成
8年ぶりに全面改良を受けたホンダの軽自動車、N-ONE(エヌ・ワン)の試乗会が横浜みとなみらい地区で開かれた。軽自動車初のFFターボ×6MTということで話題の「RS」のマニュアルもヨカッタし、ベーシック・モデルの「オリジナル」も、高級仕様の「プレミアム」もヨカッタ。つまり、3台試乗した新型N-ONEは全部ヨカッタ。 もはや軽自動車とは思えぬ、一人前の自動車の落ち着きが感じられた。逆にいえば、軽自動車の区分を考え直すべき時期に来ているのかもしれない。 というと先走りのしすぎなので、まずは新型N-ONEの商品展開から説明しましょう。冒頭に記したように、新型N-ONEには3つのタイプがある。 「オリジナル」は14インチの鉄ちんホイールで、昔風のホイール・キャップが付いている。パワートレインは660cc直列3気筒の自然吸気エンジンとCVTのみ。赤、薄いブルー、アイボリーなど、1960年代風のボディ色もあったり、内装も2トーンの明るいシート表皮が用いられていたりして、全体にシンプルでカワイイ仕立てになっている。 「プレミアム」はボディの前後と横にメッキをあしらい、LEDフォグライト、アルミ・ホイールを装備する。内装ではステアリングホイールが革巻きになり、シート表皮はダーク系で統一される。エンジンには自然吸気とターボがあり、後者は「プレミアムツアラー」を名乗る。ターボ・モデルはアルミ・ホイールが14インチから15インチに格上げとなる。ギアボックスはCVTのみである。 「RS」は2017年の初代N-ONEの何度目かのマイナーチェンジで追加されたスポーティ仕様で、新型ではCVTのほか、6MTが新たに設定されている。 6MTは2座のミドシップ・オープン・スポーツカー、S660のそれを前輪駆動用に改良して搭載している。ホンダが「軽自動車初のFFターボ×6MT」と銘打っているのは、ターボ×6MTはS660で実現しているからだ。FFターボ×5MTはスズキ「アルト・ワークス」が現在もあるし、過去にもある。 ちなみにFF自然吸気×6MTの軽自動車はホンダにもあります。それはなんでしょう? 答は「N-VAN」。リアの両サイドにスライド式ドアをもつ、趣味人のための軽バンだ。 「オリジナル」と「プレミアム」および「プレミアムツアラー」にはFFのほか、4WDの設定もあるけれど、会場には持ち込まれておらず、試乗したのはすべてFFである。