【掛布論】巨人・岡本和真、十分な飛距離が出なかったのはフォームのわずかな狂い
◆JERAセ・リーグ 阪神6―2巨人=7回降雨コールド=(6日・甲子園) 岡本和の第1打席のフェンス手前への左飛は、強い雨で失速しなければサク越えしていたかもしれない。だが、本調子なら雨にも負けずに軽々とスタンドに届いていたはず。十分な飛距離が出なかったのは、フォームのわずかな狂いだ。 左足をステップするときに左肩が一塁側に入りすぎている。そのため左肩を早くほどいてスイングしないと、ストレートに差し込まれる。開きが早くなるので、弓矢を強く張るようなトップの形がつくれない。だから遠くまで飛ばせないのだ。 昨季までは左足をオープンに構えていたが、今年はスクエアなスタンスになった。去年と同じ感覚で左肩をひねれば深くなりすぎる。半足でも、気持ち程度でもいいので左足をオープンに戻せばガラリと変わる可能性がある。左肩の位置を投手方向に保てるので、球も見やすくなるだろう。フリー打撃で緩いボールを投げてもらうのも効果的だ。テイクバックをしっかり取る感覚を思い出すはずだ。 4番打者は1本のアーチが出るまで気持ちが落ち着かない。丸らを欠く苦しいチーム状況の中、責任感の強さが裏目になる可能性もある。3年連続30本塁打を達成し、今や巨人の不動の4番打者となった。この状況をどう克服するか注目したい。(阪神レジェンド・テラー、スポーツ報知評論家)
報知新聞社