「AFURI」巡る商標争い 最高裁、ラーメン「AFURI」社の上告認めず 吉川醸造が勝訴と報告
大正元年創業の酒造ブランド、吉川醸造株式会社(神奈川・伊勢崎)は29日、公式サイトを更新。人気ラーメン店「AFURI」から提訴された登録商標の無効審判について、最高裁判所がAFURI社の上告および上告受理申立てを認めないとの決定を下したと報告した。 「吉川醸造」は雨乞い信仰の地として「雨降山」と呼ばれた丹沢大山の麓にある神奈川県の酒蔵。2021年に新銘柄「雨降///あふり」を発表した。 23年、吉川醸造の「雨降」の登録商標に対し、人気ラーメン店「AFURI」が、登録商標の取り消しや損害賠償等を求めて東京地方裁判所に提起した。吉川醸造は「阿夫利」「あふり」は地域に根差した名称であり、商標権を侵害するものではないと主張していた。 この日、吉川醸造は「今月、AFURI社が当社の商標『雨降(筆文字)』に対して提起した『無効審判』に係る訴訟について、最高裁判所は AFURI社の上告および上告受理申立てを認めないとの決定を下しました。これにより、高裁判決通り当社・吉川醸造の勝訴が確定したことをご報告申し上げます」と報告した。 同社の発表は以下の通り。 今月、AFURI社が当社の商標「雨降(筆文字)」に対して提起した「無効審判」に係る訴訟について、最高裁判所はAFURI社の上告および上告受理申立てを認めないとの決定を下しました。これにより、高裁判決通り当社・吉川醸造の勝訴が確定したことをご報告申し上げます。 さて、一部で報じられた通り、両社間では現在も複数の裁判および審判が進行中です。例えばAFURI社が当社商品ラベル等の商標権侵害を主張し、ライセンス料相当額(AFURI社によればお酒の売上の30%)を損害賠償請求している訴訟については、東京地裁における審理が現在も継続しています。(事件番号:令和5年(ワ)第70297号)私が当初想像していた以上に係争の長期化が見込まれる状況を受け、このタイミングで改めて皆様にお知らせすることといたしました。 昨年の夏に最初の「お知らせ」を出した際には、思いもよらぬ大きな反響がありました。その中で、当社に対するご叱責や厳しいご批判も頂戴しました。無理もないことですが「お酒は縁起物だから」という理由で、一時取引休止のお申し出をいただいたこともあります。 しかしながらそれらはごく少数で、大多数は私たちへの温かいご理解とご支援の言葉でした。特に地元の方々からは励ましの言葉とともに、裁判資料作成のための貴重なアドバイスを頂戴しました。また、見ず知らずの方々の投稿や情報提供をもとに、国会図書館等で確認のうえ証拠資料とさせていただいたこともありました。 図らずもこの裁判および審判は、「阿夫利、雨降(あふり)」の歴史と伝統がいかに広く長く深く愛されてきたかを私たちが再認識する契機となっています。 今後も大山阿夫利神社の皆様をはじめ、地域の皆様やお取引先の皆様にはご心配をおかけしますが、引き続き当社および「雨降///あふり」を見守っていただけますようお願い申し上げます。