区立鶴巻図書館、「つるまき本の帯デザイン賞」受賞作品を展示
区立鶴巻図書館(新宿区早稲田鶴巻町、TEL 03-3208-2431)が、募集した「つるまき本の帯デザイン賞」の受賞作を発表し、同館で作品展示を行っている。(高田馬場経済新聞) 【写真】中高生の部最優秀賞を受賞した山口澪さんの本の帯。 2020年に中高生を対象に始めた企画。今年は同館開館50周年記念として小学生以下の部、19歳以上の部も設けて募集を行った。 最優秀賞に選ばれたのは、中高生の部=山口澪さん(対象作品=櫻井とりおさん著・河出書房新社刊「虹いろ図書館のひなとゆん」)、19歳以上の部=佐藤とかさん(対象作品=石川直樹さん著、岩波書店刊「シェルパのポルパ エベレストにのぼる」)、小学生以下の部=大道仁南さん(対象作品=(富安陽子さん著、理論社刊「妖怪一家 九十九さん」)。 同館1階に、各部門の最優秀賞、優秀賞に選ばれた作品を図書館所蔵の本に巻いて展示するほか、評価の高かった入選作品を展示する。 今回の応募作品は、中高生=177点、19歳以上=23点、小学生=12点の合計212点。同館職員による1次審査で佳作56点を選出。桑原貞惠館長、早稲田鶴巻町に拠点を置く出版社あすなろ書房社長の山浦真一さん、西早稲田古書店街にある古書現世店主の向井透史さんによる最終審査で、最優秀賞、優秀賞、入選作品を決定した。 入賞者には図書カードと鶴巻図書館手拭いを贈呈。同館が発行する図書館だよりに優秀賞受賞者のコメントや選者の講評などを作品と共に掲載する予定。 審査員の山浦さんは「どの作品も丁寧に作られていた。イラストを活用した作品が多く見受けられたことが今回の特徴。全体的には毎回のことだが惹(ひ)き句(人の心をひきつける短い文句)を本文や元の帯から引用した作品が多く見られる。次回は、もっと作品を読み込んだ『自分の言葉』で表現した作品を期待する」と講評する。 向井さんは最優秀賞作品について「小学生以下の部の大道さんの帯は絵と字の配置バランスがとても良くできていた。ただ紹介するだけでなく『デザイン』があった。中高生の部の山口さんの帯も切り取った窓から絵を立体的に見せ、文字がなくても説明になっていて素晴らしい出来だった。19歳以上の部門の佐藤さんの帯はシンプルに表と裏で山と空を反転させ文字の選択、配置も完璧で審査員一同うなった」と講評する。 同館の廣谷健太郎副館長は「前任者から引き継ぎ本事業に携わったが、多くの良い作品が集まる中、1次審査で作品を選ぶことが心苦しく責任の重さを感じ緊張した。受賞を伝える電話で直接喜びの声を聞いたり、展示を終え企画を俯瞰(ふかん)して見ることができたりして、初めて良い取り組みができたと感じた」と話す。 展示は、12/26(木)まで。 開館時間は9時~19時(土曜・日曜、祝日は18時まで)。火曜休館。
みんなの経済新聞ネットワーク