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観光苦境の出口は本当に見えないのか 箱物重視からスローバケーションへの転換を

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 日本の観光が悲鳴を上げている。インバウンド需要が蒸発し、国内でも「自粛」で人が観光地に足を向けない。だが本当に観光は「出口が見えない」のだろうか。コロナ禍で観光産業が置かれる環境は一変した。新しい環境に適応できなければ衰える。「出口」が見えないのではなく、見たくないのではないか。新潟県湯沢町からこれからの観光のあり方を考えた。(リスク管理・コミュニケーションコンサルタント=西澤真理子)  ▽激減した観光客  お盆の真っただ中の8月12日、東京20時発新潟行きの特急「とき」1号車は、乗客が10人にも満たなかった。高崎を過ぎると、多くが下車し、ほぼ貸し切り状態だった。東京から70分でアクセスできる観光地の越後湯沢は駅も周辺も申し訳なくなるくらい閑散としていた。  「駅で2~3時間待つのはざら。朝だとお客さんもいないよ。お客さんが電車で来てくれないと商売になんないんだ。悲惨ですよ。これからどうなっていくのか想像もつかない」。乗車したタクシーの運転手さんはつぶやく。バブル期、スキー全盛期のシンボルで、夏のフジロックフェスティバルやユーミンのコンサートが毎年行われる苗場スキー場があるプリンスホテルでさえ、スキーシーズンまで休業することが決まった。ゴルフ客も少ないそうだ。

 「冬にスキー客が戻るといいんだけど。最近は半分がスキー客も外国人客だしね」。スキー場には英語や中国語の表記があふれていたが、需要は蒸発した。  ▽インバウンド頼みの反動  日本はここ数年、訪日観光客のインバウンド消費を頼りにしてきた。総額では日本人による国内旅行の4分の1だが、1回当たりの1人当たり単価が日本人の3倍と報道されている。海外旅行する際、もう二度と来ないかもしれない、と、財布のひもが緩む。だから、観光地は外国人旅行客の誘致に力を入れてきたという。しかし現状は訪日客がほぼゼロで、見込んでいた収入が全国で蒸発している。  コロナの収束状況の見通しが立たない中、報道によると、コロナ収束後に長期的に観れば訪日客が戻るとの期待が高く、日本政府観光局では、海外各国で日本国内の感染状況や対策の発信を続け、誘致を再開するタイミングを見計らっているという。  しかし、本当にこの戦略は機能するのだろうか。これはデータに基づき冷静に分析したものというより、受ける側の精神論的な「祈りに近い」期待感ではないのか。

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