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建設現場に苦境、売上半数以下が3割超 専門家「雇用の外側にいる一人親方は特に厳しい」

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税理士ドットコム

建設業界のマッチングサイト「ツクリンク」が新型コロナウイルスの建設業への影響について、事業者(法人、個人事業主)を対象にアンケート調査を実施したところ、例年の仕事量、売上高と比較して、半数以下になると回答した事業者が3割超を占め、苦境が浮き彫りになった。 専門家は「技能労働者のほとんどは日給なので、働く場がなくなれば即収入が途絶える。その多くは、一人親方や雇用の外側におかれた働き方なので、失業給付や雇用調整助成金などのセイフティネットでは救われない」と厳しい見方を示している。 ●「既に影響が出ている」が6割弱 アンケートは4月に実施、1584事業者が回答した。個人事業主が43%、法人が57%だった。 新型コロナウイルスの影響について尋ねたところ、「既に影響が出ている」が58.5%で6割弱を占めた。「今現在では変わらないが、1カ月先には影響が出る見通し」が13.6%、「今現在では変わらないが、今後の見通しは不明」が22.3%だった。 「影響が出ている」「影響が出る見通し」と回答した事業者にその内容について、複数回答で尋ねたところ、「売り上げの減少」が68.2%でトップ、「客先の業績不振による業務縮小」の65.5%と続いた。 例年の仕事量、売上高を100として、現在の見込みを尋ねたところ、「0~19」が10%、「20~49」が21.1%で、合計すると3割を超えた。さらに、「50~79」が38.2%、「80~99」が24.1%で、「100以上」と回答したのはわずか6.6%にとどまった。 ●「多くの技能者を適法に雇用している企業が痛手を被っている」 今回の結果を受けて、芝浦工業大学建築学部の蟹澤宏剛教授は「工事の中止については、大手ゼネコンだけでも数千件に及び、数十万単位の技能労働者が働く場を失っている。住宅現場などでも、施主や近隣から工事の中止を要請されるケースが増えていると聞く。 痛手を被るのは多くの技能者を適法に雇用している企業だ。そうした企業は、社保加入は当然のこととして、固定給化などの取組や教育訓練への投資などを推進している。当然、経営に要する固定費はかさむ。 バブル崩壊、リーマンショック、橋梁談合に伴う発注停止などで工事が減る度に、真面目な会社が憂き目に遭ってきた。今回、またも同じ過ちを繰り返せば、日本の建設業の構造改善の道は完全に閉ざされることになる」と警告。 さらに、「担い手確保や社保加入の促進などに真摯に取り組んできた企業を絶対に潰さないこと、100万人はいるであろう一人親方の今は守りつつも、将来については抜本的な方策を考えること、CCUS(建設キャリアップシステム)をはじめとする方策への取組を絶対に続けること、高齢化が進みきった熟練技能者の技能が完全に失われる前に承継すること、および、より一層の構造改善方策を考える事など」が必要だと訴えている。

弁護士ドットコムニュース編集部

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