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Lee Pipes──知る人ぞ知る90年代のスケートラインが復活

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GQ JAPAN

コテコテのバギーパンツや必要以上のビッグポケットは当時の雰囲気さながら。 【写真を見る】まさに今の気分にぴったり!

注目の復刻ライン

リー(Lee)が、1990年代後期にエクストリームスポーツ向けに展開していたリー パイプス(Lee Pipes)を復刻。最近はことあるごとに何かが復刻されるが、パイプスの再登場はここ数年で一番興奮した復刻のひとつだ。 オーナーが嫌がりそうなので名前は伏せるが、東京・町田に筆者が服を勉強させてもらった古着屋がある。なかなかに“変態”な古着屋で、独自の買い付けルートは某有名セレクトショップにも仕入れを依頼されるほど。現地買い付けほやほやのアイテムを試着してはその裏話を聞くのが何よりの楽しみで、1回の訪問で2~3時間、お店に滞在するのは当たり前だった。 そのオーナーが数年前、珍しく“横乗り”に振り切ったパンツを数点まとめて買い付けてきたことがある。強気なシルエットを特徴とするそれらのアイテムは、60年代の綺麗なセットアップやデザイン性の高い変形ニットがラッキングされた店内で一際異彩を放っていた。最近では、ブランドとしてコテコテのバギーパンツを展開しているところは少なく、その提案が一周回って新鮮で、いかにも古着屋らしいと感じたことを鮮明に記憶している。そのパンツがほかでもない、リー パイプスのものだった。 そのなかにはデッドストックの状態で、フラッシャーがついているものも存在した。若いスケーターがスライド(トリックの一種)をする写真の上に「BIGGER, WIDER, COOLER」の文字。時代のキーワードである「ユース」をここまで気持ちよく表現したフラッシャーには滅多に出会わない。また、パンツはビッグサイズのトップスを着てもしっかりと主張できるよう、バックポケットの下部に刺繍が施されていて、このディテールがいかにもストリートらしくていいのだ。 今回、リーが復刻したパイプスのアイテムも、トレンドに媚びることなく、当時のムードを歪めることなく踏襲。スケートボードやBMXでの着用を考慮したワイドなシルエット、コントラストの効いたステッチワーク、大きめのポケット、DIYを彷彿とさせる異素材の切り替え、そしてオーバルのロゴボタン・ワッペンといったディテールの数々は、ヴィンテージを忠実に再現している。 「リー・ジャパン」のデザイン部・鈴木裕輔氏によると、これらのデザインが現代カルチャーと相容れると判断し、復刻を決断。また、「今回はあくまでファッションアイテムとしての復刻です。2020年から見る1990年代の“いなたさ”を楽しんでいただきたいです」と語り、当時のムードやカルチャー背景を理解しながら、各々のスタイルを模索してほしいとメッセージを伝えている。 LAで撮影したイメージムービーには、10年ぶりに再結成を果たした日本ミクスチャーシーンの代表格、SBK(スケボーキング)のSHIGEOが楽曲を提供。ヴェニスの陽気とローファイな質感は相性抜群で、パイプスのバックボーンを色濃く反映しており、特設サイトにはYOPPIこと江川芳文も90年代後期の思い出を綴ったコラムを寄稿している。 いずれにせよ、シーンにこういうコレクションが存在すること自体がとても喜ばしい。2ndデリバリー以降の展開にも期待したい。 PROFILE marble studio 編集者やフォトグラファー、プレスらで構成されるクリエイティブ集団。ミレニアル世代ならではの感性を活かし、ビジュアル制作やディレクション、執筆など、そのアウトプットは多岐にわたる。

文・marble studio

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