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『逃げ恥』との共通点が多数…『私の家政夫ナギサさん』に癒やされる人続出のワケ

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現代ビジネス

多部と大森はダブルヒロイン?

 約3ヵ月遅れで放送されている春ドラマの中で、現在最も話題を集めているのは、大型シリーズ作の『ハケンの品格』(日本テレビ系)でも、『BG~身辺警護人~』(テレビ朝日系)でもなく、『私の家政夫ナギサさん』(TBS系)で間違いないだろう。 【写真】年収500万円以上の30代独身男性は「普通の男」じゃないんです  とにかくネット上の評判がよく、関連ニュースのコメント欄も、個人のSNSも称賛の声ばかり。そんな動きを察知した各ネットメディアは早くも「『ナギサさん』はPVが取れる」とみなして多くの記事を配信している。さらに世帯視聴率は、第1話が14.2%と火曜ドラマ過去最高を記録し、第2話も12.8%の高水準をキープするなど、録画視聴やネット視聴ではなく、リアルタイムで見ている人も多い。  『私の家政夫ナギサさん』はなぜ好スタートを切ったのか。その理由を掘り下げていくと、約4年前に同じ火曜ドラマで放送された『逃げるは恥だが役に立つ』との共通点が見えてくる。しかもそれは複数にわたり、いずれも重要なポイントだった。

主要キャラクターが“いい人”ばかり

 『私の家政夫ナギサさん』は、製薬会社のMRとしてバリバリ働くキャリアウーマンだが、家事がまったくできない相原メイ(多部未華子)の物語。仕事第一で家事や恋愛・婚活は後回しの生活を送る中、おじさん家政夫・鴫野ナギサ(大森南朋)、ライバル会社のMR・田所優太(瀬戸康史)と出会い、自分の人生や幸せを考えるようになっていく姿が描かれている。  まず注目すべきは、主要キャラクターの設定。メイは仕事一筋の頑張り屋で、母の期待に応えようと一生懸命。ナギサは仕事に誇りを持ちながらも、物腰が柔らかく謙虚。優太は仕事ができる上に誠実かつ気さく。いずれのキャラクター設定も“いい人”のため、ギスギスとしたムードにはならず、安心して見ていられる。  さらにメイの職場・天保山製薬横浜支店を見ても、支店長・古藤深雪(富田靖子)はメイをチームリーダーに抜てきし、昇進試験を勧めるなど、成長を促す優しい女性上司。同僚であり親友の陶山薫(高橋メアリージュン)は明るく裏表のない性格で、熱心に婚活中。新入社員の瀬川遙人(眞栄田郷敦)は未熟で世間知らずだが、素直で勉強熱心。やはり“いい人”がそろっている。  なかでも印象的だったのは、第2話でメイがチームメンバーの前で失敗を詫びたシーン。  無口な中堅社員の馬場穣二(水澤紳吾)が「リーダーだって失敗くらいするだろ。大事なのはそのあとどうするかだ」とつぶやき、副支店長の松平慎也(平山祐介)は失敗の理由を聞いた上で「じゃあ今回はそこに気づけてよかったんじゃないか」と励まし、同僚の堀江耕介(岡部大)と天馬あかり(若月佑美)も前向きにフォローしていた。つまり視聴者は、「こんな会社あったらいいな」「私もこんな上司や同僚がほしい」という心地よいファンタジーを楽しめるのだ。  その他にも、メイの妹でナギサを送り込むなど姉思いの福田唯(趣里)、患者にもMRにも丁寧に対応する誠実な医師・肥後菊之助(宮尾俊太郎)も“いい人”。唯一、メイの母親・相原美登里(草刈民代)が厳しい教育方針を娘に押し付けるキャラクターとして描かれているが、あくまで「愛情深いから」であることが強調されていて悪い人には見えない。  また、女性の生き方に注目すると、アラサーで独身のメイ、25歳で夫と3歳の娘がいる唯、専業主婦の美登里と、母娘で異なる設定であることに気づく。次に会社での立ち位置に注目すると、リーダーに抜てきされて戸惑うメイ、女性支店長に就任したばかりの古藤、支店一の古参社員である松平、年下のメイに負けたくない堀江、イマドキの後輩社員・天馬。こうして一人一人を見ていくと、「多様な生き方や立ち位置を肯定するように描いている」ことが分かるだろう。  「主要キャラクターが“いい人”ばかり」「多様な生き方や立ち位置を肯定している」という2点は、『逃げるは恥だが役に立つ』にもそっくり当てはまる共通点。どちらも「ドラマに癒しを求めたい」「ストレスフルな物語は避けたい」という現代人の思考に合っている。

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