Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

避難途中、車ごと流されたか 豪雨の由布市で家族4人不明

配信

大分合同新聞

 7日深夜から8日未明にかけた記録的な豪雨で、由布市で計5人が行方不明になった。「うそであってほしい」「無事でいて」。住民たちが祈る中、大分川沿いで身元不明の女性1人が遺体で見つかった。  温泉地の湯布院町湯平では、旅館業を営む家族4人の行方が分からなくなった。市や地元住民によると、80代祖母、50代夫婦、20代息子とみられる。  7日深夜、車で県道を走っていたところ、道沿いの花合野(かごの)川があふれて立ち往生した可能性が高い。息子は車外に逃げて木に登り、町内の親族に電話で助けを求めたという。  親族は119番をしたものの、水の勢いで捜索は難航。隊員が駆け付けたときには車が流され、息子の姿も見当たらなかった。  氾濫した川は温泉街に押し寄せ、共同浴場の砂湯や鉄橋などを損壊した。安否不明の80代祖母は漬物や煮物といった料理が得意で、今も旅館「つるや隠宅」を切り盛りしている。隣で旅館を経営する横尾尚一さん(63)は「川の氾濫が心配で、みんなで避難しようとしたのではないか」と信じられない様子で語った。  現場から15キロほど離れた同市挾間町谷で8日午後1時すぎ、女性1人の遺体が見つかった。花合野川が流れ込む大分川沿いの雑木林だった。流された家族の可能性があるとして、県警は身元の確認を急ぐ。  同町挾間の黒川(大分川の支流)では同日午前6時20分ごろ、黒っぽい軽乗用車が逆さまの状態で見つかった。茶色く濁った川に漬かり、車内に人はいなかった。  県警や消防によると、現場の状況から湯平の県道で流された車ではないという。町内の男性が7日深夜から車でコインランドリーに出掛けたまま連絡が取れていない。県警が関連を調べている。  普段の黒川は幅10メートルほどの穏やかな流れだが、8日未明は激しい波を立てて、付近の民家1棟と橋を削り取るように破壊した。  「小魚がゆっくり泳ぐような川なのに」。地元の自営業田中建次さん(75)は無事を願い、捜索活動を見守った。

【関連記事】