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イッツ・ショー・タイム! 僕が俳優・小澤 廉である理由。演劇配信プロジェクト「ひとりしばい」第2弾

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講談社とOffice ENDLESSの共同プロジェクト「ひとりしばい」の第2弾には、小澤 廉が出演。作・演出は川本 成が手がけている。 「ひとりしばい」は、最大限「NO!!3密」を意識したうえで「キャスト・スタッフらに活動の場を作りたい!」「舞台に立つキャストの姿をお客様に観てもらいたい!」という想いから第1弾の荒牧慶彦 出演「断 -Dan-」(作・演出:岡本貴也)からライブ配信をスタート。稽古はオンラインミーティングアプリ「Zoom」を活用し、観劇は配信課金システム「ファン→←キャス」を使用。そして、会場には池袋の新LIVEエンターテインメント複合施設ビル「Mixalive TOKYO」(ミクサライブ東京)の「Hall Mixa」を使って上演される。 タイトルどおり、キャスト1名と演出家のタッグによる、完全オリジナルストーリーの“一人芝居”。小澤が挑んだ第2弾「ひとりしばい vol.2 小澤 廉」の模様をレポートしよう。 【写真】第2弾「ひとりしばい vol.2 小澤 廉」の模様 取材・文 / 竹下力 ◆自ら俳優・小澤 廉という存在意義を問いかける ポジティブなヴァイブに満ちた素晴らしい舞台だった。この自粛期間中の憂さを晴らすアッパーな雰囲気が作品全体に通底している。たった1時間なのに、笑顔になって、泣くこともできて、最後には幸せな気分に満ちている。演劇の持つ、人の心を動かすダイナミズムを感じることができる作品に仕上がっていた。 今作のタイトルは「好きな場所」。その数は人によって無数にあれど、“コロナ禍”において自粛を余儀なくされ、ひとりぼっちになったとき、自分は何者なのか? 自分はどこにいるのか? これから何をしていけばいいのか? そんな問いかけをしてしまう人も多かったのではないだろうか。社会状況は大変なことに満ちているけれど、ひとりつらいこともあるかもしれないけれど、今、こんな期間も、プラスに考えれば、新たな自分を発見するきっかけになるかもしれないと、今作を観て考えさせられた。 「vol.2」で主人公を演じる小澤 廉は、2015年に「ダイヤのA The LIVE」(沢村栄純 役)で舞台初主演を務め、ミュージカル『薄桜鬼』(藤堂平助 役)、舞台「おそ松さん on STAGE」(十四松 役)など多数の舞台に出演。また、映画やドラマなどの映像作品への出演やアニメで声優としても活躍している。現在、最も勢いのある俳優のひとりだろう。 そんな彼とタッグを組む作・演出の川本 成は、1991年に萩本欽一主宰の「欽ちゃん劇団」1期生として入団。1994年に堀口文宏と「あさりど」としてコンビを組み、お笑い芸人として出発。その後、2001年にアニメ『テニスの王子様』(河村 隆 役)に出演以降、声優としても活躍。2007年から劇団「時速246」を主宰し、精力的に舞台の作・演出も手がけ、自身も役者として出演。お笑い芸人、声優、俳優、歌手、劇作家、演出家とマルチな活躍ぶりを見せている。 この作品は、「Zoom」という現代ならではのシステムを使ったファンタジーであり、小澤 廉が自ら俳優・小澤 廉という存在の意義を問いかける、“私”演劇という体裁ともいえるだろう。なぜ、自分が俳優であるのか、自分が俳優でいようと思うのか。彼が自身を見つめ、自身が感じている限界の壁を打ち壊し、彼は本当に「好きな場所」を見つけにいく。 ストーリーは、俳優・小澤が自宅からZoomを使って番組を生配信しているところから始まる。彼は自分のお気に入りのものや、ハマっているものを紹介していく。カーテンや座椅子を紹介し、BOSEのスピーカーで音楽を聴くことや、Nintendo Switchでゲームをするのが好きだとひとり語る。時には、コーヒーのコップを倒してしまったり、救急車のサイレンが鳴ったり、荷物が届いて配信の邪魔をされたり、慌ただしく日常の時間が経過していくシーンが緻密に、芝居であることを忘れるほどリアルに描かれる。 しかし、自粛期間中に家にいることや、そのなかで自分にできなかったことを振り返りながら、彼は次第に、自分が本当は何をしたい人間なのか、自分の居場所はどこなのかを問い始める。 そんなとき、Zoomのチャットにひとりの参加者が現れる。しかも名前は「Ren Ozawa」という同じ名前。興味を持った彼は、その参加者の入室を許可する。そして、パソコンの画面に現れた男が彼に語り始める。「俺はお前だ」と……。 小澤は、“素の小澤 廉”の姿を見せる何気ない仕草から、ブーストをかけて徐々に“俳優・小澤 廉”の芝居へと変えていく。日常的な会話をフラットに交わす小澤から、俳優としての声質、抑揚をつけた声量にスムーズに変えて迫力を出していく。たったひとりで空間を支配していく演技が圧巻だった。とても初めての“一人芝居”には見えない堂々とした佇まいだ。 また、彼の立ち振る舞いが凛として素晴らしかった。第1弾では、12台のカメラを巧みにスイッチングしてシーンに緊迫感を持たせていたが、今回は、ほぼ定点カメラが彼を追いかけ、彼のその均整のとれた立ち姿を映していく。俳優の立ち姿は舞台において、とても大切だと思うけれど、小澤 廉ほど舞台に見合う俳優もいないのではないだろうか。 作・演出の川本 成は、Zoomという配信の特性を活かした“素”の小澤 廉を捕らえていくのだが、そこからマジックリアリズム的な仕掛けを施していく。屋台崩しといった手法やミュージカル風の曲、ファンクミュージックまで織り交ぜ、日常を非日常に変えていく手法に違和感がなく、舞台の醍醐味を丁寧に表現していた。なにより、ハッピーなフィーリングに満ちている。 今作は演劇が“演劇であることの意味”も問いかけてくる。演劇とは、俳優がいて、脚本家や、演出家がいて、あらゆるスタッフがいて、そして観客がいることで成り立つ総合的な芸術だと教えてくれる。 我々が当たり前だと思っていた世界が崩壊し、当たり前のものを享受できなくなってしまったときに、演劇はどんな役割を果たすのか? 小澤 廉と川本 成は、その答えを知っている。彼らは演劇の力を信じている。演劇の持つ前向きなエネルギーを信じている。舞台は人々を笑顔にすることができる。幸せにすることができる。そして、それは彼らふたりだけでなく、今作に携わったスタッフを含め、あらゆる演劇人が思っていることだと伝わってくる。演劇の魅力に取り憑かれた演劇人たちによる感動的な作品だった。 ◆僕を応援してきてくれた歴史があるから、僕はお芝居ができる 「ひとりしばい vol.2 小澤 廉」が配信されたのち、小澤 廉と川本 成が登壇し、アフタートークが行われたので少しだけ触れておきたい。 公演を終えて板の上に立つ小澤は「初めての“一人芝居”でとても緊張していましたが、無事に本番を終えたことに感謝しています」と挨拶し、川本を紹介。川本も「泣いちゃった。うまくいって嬉しかったね(笑)」と率直な感想を述べ、「ホッとしています。こんな気持ちになる公演は初めてです。無観客、生配信、舞台のようで舞台でもない、小学校の入学式に出席するような新鮮な気持ちになりました」と続けた。 川本の話に相槌を打ちながら小澤は「生配信と映像も使いながら、舞台やミュージカルの要素も入っていて、僕らがやろうとしていた試みができたと思います。“一人芝居”といいながらも50人以上のスタッフの方と一丸となって作りました」と今作を改めて振り返り、川本は裏話として「舞台で(小澤)廉くんがいた部屋は、実際の廉くんの部屋を再現しています」と披露しつつ、小澤の芝居には「“魂”でお芝居をしている気がしましたね」と熱く語った。 そんな川本の発言を受けた小澤は「演じていると、芝居が芝居ではなくなる瞬間があるのですが、今作では、実際に経験していることが影響したり、思っていることを伝えようとすると、本当にお芝居でなくなるときがありました。本番中はその境地に足を踏み入れて泣きそうになりました。普段、皆さんが僕を応援してきてくれた歴史があるから、僕はここでお芝居ができるような気がします」と心の内を正直に明かし、最後に「初めての“一人芝居”で不安と緊張の毎日でしたが、頑張って良かったと思います」と言葉を残した。 本公演「ひとりしばい vol.2 小澤 廉」は、6月29日(月)~7月6日(月)までアーカイブ配信されるので、見逃してしまった場合にはぜひ観劇して欲しい。 また、7月4日(土)には「ひとりしばい vol.3 北村 諒」の上演も行われる。 (c)舞台「ひとりしばい」製作委員会 イッツ・ショー・タイム! 僕が俳優・小澤 廉である理由。演劇配信プロジェクト「ひとりしばい」第2弾は、WHAT's IN? tokyoへ。

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