やっぱり打てない?阪神は内外野の緊急コンバートを行うべきか
たかがオープン戦。されどオープン戦。まだ序盤だが、もうシーズンへの不安を露呈しているのが阪神だ。最下位脱出のテーマは得点力不足の解消だった。昨年のチーム打率.253、チーム得点577は、リーグ5位の成績で、チーム本塁打85と551打点はワースト。メッセンジャー、西、ガルシアの先発3本柱の充実度は、リーグ屈指だけに得点力アップが最下位からの巻き返しのポイントになるはずだったが、ここまでオープン戦4試合でスコアに刻んだ得点は「3点」「2点」「0点」「2点」で4連敗。チーム打率.200は、11球団で最下位(ちなみに防御率、5.63も最下位)。まだ福留、糸井の両ベテランが本格参戦していないが、新外国人のマルテが不安で、目立つのがルーキー2人だけでは心許ない。 4連敗を喫した3日のソフトバンク戦後に矢野監督は「やっぱり(福留、糸井のベテランを)脅かすような点の取り方をしていかないとチームとしても強くならない」と嘆いたという 3日のソフトバンク戦で「5番・一塁」で3打席立った新外国人のマルテは、2打席がアンダースローの高橋礼だったから気の毒な点はあるが、二塁ゴロ、投ゴロ、三塁ゴロとまったくタイミングが合っていなかった。ノーステップ打法で、日本の投手が繰り出す変化球に対応できるような“間”がなく、いわゆる正面衝突するようなバッティング。かといって、ロッテの新外国人、バルガスのように当たればどこまで飛んでいくかわからないパワーもない。 矢野監督が、早々に「4番・マルテ」をあきらめ、「4番・大山」に決めた理由もよくわかる。新戦力の柱が、昨季、期待を裏切ったロサリオに重なるようでは先が思いやられる。 ドラフト3位の木浪がセンスを感じさせるシュアなバッティングで存在感をアピールしているが、チームに大革命を起こすほどか、と言えば、そうではない。あくまでも“脇役層”の充実である。 特に問題はセンターだ。この4試合で高山、近本(2試合)、中谷の3人を先発で使った。江越も含めた4人が候補だったが、もう高山はファームへ送られ、近本の足は魅力で、セーフティーバントを決めるなどして課題だったプロのスピードにも順応しようとしているが、センターとしては肩が弱い。中谷、江越もアピールに欠ける。