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虎ノ門にクラフトジン蒸留所 焼酎・水も東京の素材で

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クラフトビールに続き、世界的に人気が出てきているのがクラフトジンだ。ジンはワインやウイスキーのように樽(たる)で熟成させなくてもよく、初期投資や管理費用を抑えられる。規模もコンパクトにまとめられるので敷居も低い。 「ボタニカル」と呼ばれるスパイス、ハーブ、果実などを加えて蒸留することで多様な香りのジンを作れるのが味わいの特徴。日本でも日本酒や焼酎の酒蔵などがジャパニーズクラフトジンの製造に乗り出している。 虎ノ門ヒルズビジネスタワーの4階にオープンしたのが「酒食堂 虎ノ門蒸留所」だ。この店は店内にジンの蒸留施設を備え、クラフトジンを製造・販売している。 クラフトビール醸造所を併設した店舗はかなり増えたが、その流れはジンにまで及んだ。同店は「ディーン・アンド・デルーカ」を日本で展開するウェルカム(東京・渋谷)が運営する。 ここで蒸留されるジンが、「東京ローカルスピリッツ」をコンセプトにした「COMMON(コモン)」だ。同店の蒸留家である一場鉄平さんは岐阜県郡上市にある辰己蒸留所で蒸留方法を学び、季節感や地域性を前面に出しやすいジンの奥深さを知ったという。 一場さんは「せっかく虎ノ門に蒸留所を作るのなら、東京の知られていない素材の素晴らしさを凝縮したジンを作りたかった」と語り、東京らしさに徹底的にこだわる。 八丈島と新島で作られた東京の離島産の麦焼酎だけを使い、国産のボタニカルを使って蒸留する。蒸留したジンに、奥多摩の名水と名高い沢井の湧水を加水して完成させる。「島の焼酎を取り寄せることで、離島の焼酎の知名度が高まれば」と一場さん。 コモンを強炭酸で割った「ジンハイボール」(880円)などを提供している。このジンは香りが穏やかだが、どこか島焼酎の個性が残るやさしい味が特徴。料理の箸が進む理想的な食中酒に仕上がっている。 コモンに合わせて考案された「カレーメンチカツ」(308円)や「焼きナポリタンプレーン」(748円)など食事メニューも充実している。 ランチタイムは昼飲みできる定食屋として営業しており、2種類のおかずが付く「日替わりWメイン定食」(1100円)などがある。ランチメニューと一緒に330円で「ちょい飲み」としてジンハイボールやジントニックを1杯だけ注文できる。ちょい飲みは目立たないグラスで提供されるので、さりげなく昼飲みしたい向きにはうれしいだろう。 コモンは、お土産用にボトル販売もしており、500ミリリットルで5500円だ。今後は2カ月に1度のペースで、カモミールやミカンの花など季節限定のボタニカルを使ったジンを販売するという。 (フードジャーナリスト 鈴木桂水) 鈴木桂水(すずき・けいすい)フードジャーナリスト・食材プロデューサー。美味しいお店から繁盛店まで、飲食業界を幅広く取材。“美味しい料理のその前”が知りたくて、一次生産者へ興味が尽きず産地巡りの日々。取材で出会った産品の販路アドバイスも行う。 [日経MJ 2020年8月21日付]

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