冬越え、知恵を絞り暮らす野鳥たち 静岡県内の山麓、河口、湖沼
11月下旬、早朝の富士山麓の公園で「ジュリジュリ…」という鳴き声が聞こえた。エナガ科のエナガの群れが近づいてくる。双眼鏡で観察するとエナガと一緒に別の種の小鳥も混じり、せわしなく木々を飛び交い餌を探していた。ただ同じ場所には長居しない。あっという間に別の場所に移動していく。 ▶【動画】冬越えに知恵を絞る野鳥 山麓など
エナガは冬になると、シジュウカラ科シジュウカラやキツツキ科コゲラなどと「カラ群」と呼ばれる複数の種が混じった群れをつくる。警戒する目と耳を増やし、葉が落ちた林地で、猛禽(もうきん)類などの外敵から身を守るためだ。
静岡市内の河口ではハヤブサ科のハヤブサが上空から、チョウゲンボウは低木に止まり獲物を狙っていた。草地ではアトリ科のカワラヒワが群れで飛び交う。浜松市内ではカモ科のオシドリが湖岸のドングリなどを探し湖沼を穏やかに漂っていた。 県内各地で、餌が少なくなる本格的な冬を乗り切るため野鳥たちは知恵を絞りながら暮らしている。