若者は「打たれ弱い」という先入観こそヤバイ!育てる側が持つべき視点【後編】
若者は「打たれ弱い」という先入観こそヤバイ!育てる側が持つべき視点【前編】から続く。 情報社会の中、「今の若い人は、ちょっと叱ると辞めてしまう」的なセンセーショナルな例がクローズアップされがちです。そんな中、30代、40代で「ツカえない上、打たれ弱い若者」の教育に悩む人も多いようす。 今回は、筆者の周囲で「若者に思い切って厳しい事を言ったら、本人がヤル気を起こして、その後の状況が良くなった」という具体例をご紹介しています。 前編では、「会社のお飾りで、仕事上はお荷物」的に孤立しそうだった若者・ムラさん(仮名:20代・新卒で入社して2年目)に、ただ厳しい事を言うのではなく、相手の置かれた状況を分析し、寄り添いつつ指導する言葉をかけて指導したミカちゃん(仮名:30代後半)の経験談をご紹介してきました。 (前編はページ下の関連リンクより)
余計な感情を取り去って「社会人としての損得」を訴求
ムラさんは、先輩であるミカちゃんの提案に、ぱっと見は無表情で「はい」と言って、自分がミスした書類を直し始めました。 「その後は、ごく普通に私が提案した通りの手順で教えていっただけ。でも、あっという間に仕事ができるように変わっていった。もともと周囲をナメてただけだから、本気で取り組めばできるのよ」 仕事を教えていく過程で、ムラさんも「ナメてた」ことを認めたそう。 「ムラさん『最初はできない事が悔しかった。だからついムッとした顔をしちゃって。そしたらだんだん、叱られなくなって。もう、ラクして給料もらえるならいいやって思ってた』んだって。 だから私は『今は会社も安定してるけど、いつ変わるかわかんないような世の中だし、仕事とか大人の仕事づきあいを覚えないのは逆に損だ』って言ったの。だって、転職とか新しいことを始める機会があるにしたって、過去の仕事であるべきスキルも持ってない、人間関係でも甘えた考えのまま止まってたら、何やってもうまくいかなそうじゃない。…そういうの怖くない?って、思ったまんまを伝えたら彼女は『うわ~。…でもマジ、そうですね。…私、けっこうヤバかったんだ』って。その後はまともに頑張っているよ。 『いまどきの若者』の表面的なイメージで、最初の段階で大人のほうがスポイルしちゃって、まともに面倒見ないって事も多いんじゃないかな」 確かに、そういう面もあるかもしれません。