<春を駆ける・2020センバツ>選手紹介 星稜 出村夢太選手(1年)/内山壮真主将(2年) 先輩を「超えたい」 /石川
◇同じ富山出身、活躍目指す 「中学のころから背中を見てきた。目標であって、いつか超えたい存在」。笑みを浮かべながら話すのは出村夢太選手(1年)。富山県射水市から星稜中、高と進んだ彼が見据えるのは、同じ富山県の上市町出身の内山壮真主将(2年)の姿だ。 【動画】センバツ出場校、秋季大会熱闘の軌跡 出村選手は新チームでレギュラーの座をつかんだ。2019年の秋季北信越大会では主に6番や7番を任され、1回戦の高岡第一(富山)戦で、五回に勝ち越しの2点適時三塁打を放つなどの活躍を見せた。だが本人は県大会を含め2試合で経験した1番打者への思いが強い。「力強い打撃を身につけて、先制のホームを踏みたい」。より上位での活躍を目指す。 小学6年生で父に勧められた中学校野球部の練習を見学したのが星稜との出合いだった。練習の雰囲気や、選手らの練習の合間のきびきびとした動きを見て、進学を決めた。中学時代は電車と自転車を乗り継ぎ、通学時間は往復約2時間。自主練習の時間確保と自立を目指して、高校進学後は寮生活を送る。 「センバツに向けて余裕を持てるようにしたい」と練習に励んでいるのが遊撃手としての守備だ。秋の大会では無失策だったが自信を持ってプレーできなかったという。 そんな出村選手を、旧チームの遊撃手から捕手に移った内山主将は「送球やステップに苦労している」と見る。ノック練習で出村選手らに交じりながら、「送球が乱れないように、体を落として腕を上げて投げろ」「体の中心で取ることが大事だ」というアドバイスを送ることも。甲子園の大舞台で躍動した先輩の言葉は大きな支えとなっている。 「センバツで活躍して名前をとどろかせるような選手になりたい。5割以上の打率をマークし、まずは数字で内山さんを超える」。ちょっと高めの目標だけど、と断りながら言い切った。昨夏の甲子園準優勝で既に「全国区」となった先輩に近づくためには物おじなどしていられない。