U-NEXT「ハリポタ獲得」で3番手から浮上できるか ライト層にとって最強「アマプラ」は対極な戦略
「HBO」ブランドの作品も引き続き扱い、最新作ドラマ「THE PENGUIN-ザ・ペンギン-」も並んでいます。「バットマン」のスピンオフ作品という扱いですが、マントの戦士は誰一人登場しません。特殊メイクとファットスーツで別人のような主演のコリン・ファレルが人間味のある悪役「ペンギン」を演じ、見応え抜群なギャングドラマを展開しています。 ■ハリウッド作品を充実させる日本産サービス 強力なハリウッド作品がU-NEXTのラインナップに増えたことは確かです。やはりハリポタ効果もあってか、追加された9月25日前後にSNS上で話題にもなっていました。海外でもU-NEXTのこの動きは業界内で大きく取り上げられています。
9月24日から26日にインドネシア・バリ島で開催されたアジアのメディア企業トップクラスが集結するビジネスサミット「APOS」でも話題に上りにました。U-NEXTの本多利彦取締役COOが登壇したセッションで「アジアでは日本が先駆けてローンチされた『Max』をU-NEXTで順調なスタートを切ることができました」と報告し、会場の関心を寄せる場面も。「新しいコンテンツを求めるユーザーにとってアメリカのコンテンツは非常に重要」といった発言からは期待の気持ちが込められています。
また「U-NEXTは、日本国内の動画配信サービスの中で最大の作品ボリュームを持ち、すべての層のニーズを満たすコンテンツを提供している」とも強調していました。2023年7月に「Paravi」サービスを吸収して以降、ドラマ「VIVANT」といったTBSの超人気コンテンツなども加え、欧州サッカーやゴルフ、格闘技などスポーツライブ配信にも積極的です。今後は音楽配信サービスにも力を入れる計画も明かしています。
つまるところ全方位戦略です。加えて、全方位の中でそれぞれのジャンルで深く刺さるコンテンツを揃えていく方針であることがうかがえます。例えば、次々と最新の海外ドラマを観たいユーザーにとって欠かせないサービスになることを目指すということです。 他のサービスと比べてU-NEXTは月額基本料金が2189円(税込み)と高めですが、映画チケットと引き換えることもできる「ポイント付与」を使いこなし、それがコスパの良さとして感じるヘビーユーザー層を囲い込んでいくとも言えそうです。