U-NEXT「ハリポタ獲得」で3番手から浮上できるか ライト層にとって最強「アマプラ」は対極な戦略
日本国内でリードしている動画配信サービスといえば、Amazonのプライム・ビデオとNetflixです。国内発オリジナル作品も充実するこの2大巨頭の後に続くのがU-NEXT。ハリウッド最大手のワーナー・ブラザース・ディスカバリーと手を組んだU-NEXTは人気映画シリーズ『ハリー・ポッター』全シリーズの見放題配信を9月25日から開始するなど、アメリカ発コンテンツを増強しています。この動きはサービスを選ぶ基準にどれだけ影響するものなのでしょうか。 【写真】U-NEXTに加わった「バットマン」のスピンオフドラマ「THE PENGUIN-ザ・ペンギン-」
■ハリポタ頼りだけではない 国内動画配信サービスの人気3番手に位置づけるU-NEXTが『ハリー・ポッター』などを所有するワーナーと独占パートナーシップ契約を締結したのはなぜでしょうか。そもそも動画配信サービスが乱立し、アマプラ(Amazonのプライム・ビデオ)にNetflix、U-NEXT、Disney+、Apple TV+、Huluなどと選択肢が多すぎる状況です。 ワーナーは本国のアメリカで昨年5月に動画配信サービス「Max」を立ち上げ、いよいよ海外展開にも力を入れることになったわけですが、数多あるサービスと比べると最後発です。不利な立場とも言え、慎重な参入計画が求められたのだと思います。
そこで、もともと関係性があったU-NEXTと話し合いを進め、すでに展開するNetflixやDisney+とは別の道を選択することに。U-NEXTのサービスの中で「Max」の作品を見放題で提供するかたちにしたのです。U-NEXTとワーナーは2021年の時点でドラマ『AND JUST LIKE THAT... / セックス・アンド・ザ・シティ新章』などのいわゆる「HBO」ブランドの作品を独占配信する契約を結んでいたことも大きそうです。
今回の契約によって、U-NEXTで視聴できる「Max」の作品数は2500以上に増えています。売りの1つが映画『ハリー・ポッター』シリーズ全8作の見放題配信です。とはいえ、Netflixなどでも『ハリー・ポッター』シリーズは揃っていますから、“ハリポタ頼り”でもありません。海外もの好きには馴染みの「DC」や「ワーナー・ブラザース」「カートゥーン ネットワーク」「ディスカバリーチャンネル」といったアメリカ発ブランド作品も取り揃えています。