「笑点だから」と許されている部分はある──変化を続けて55年、長寿番組の裏側
今年1月10日から5月23日までの大喜利回答数を調べると、トップは円楽で132回。以下、小遊三116回、たい平114回、木久扇111回、好楽92回、林家三平89回となっている。今も、ベテラン頼みの状況はある。 司会の昇太、座布団運びの山田を加えた大喜利メンバー8人の平均年齢は66.6歳。いやが応でも、世代交代の時期がやってくる。 「具体的に考えているわけではないですけど、準備をしなきゃいけないとは思ってます。(新メンバー候補は)必ずしも落語家とは限りませんが、そこがベースにはなる。女性加入の可能性もゼロではない。チームワーク重視の大喜利で、機能するかが大事です」(福田氏)
『笑点』が60周年、70周年と続くためには何が必要だと考えているのか。 「いまだに先代の円楽さんや歌丸さん司会時代の印象が強く、当時と今を自然と比べられてしまう。我々は、長年出演していた物故された方々の作った土台の上にいる。だからこそ、先人たちの功績に頼りすぎず、自分たちの手でもっともっと盤石な番組にしないといけない。スタッフも含め、個々人が精進していく以外ありません」(飯田氏) もちろん、かつて円楽が〈テレビは芸人を消耗品として使うけど、「笑点」は大事にして、顔を売ってくれる〉(『東京新聞』2016年5月8日付)と話していたように、番組はメンバーを大切にしている。今回、放送開始からちょうど55周年を迎えたタイミングで、担当役員から大喜利メンバー全員に感謝状が贈られた。一人ひとりメッセージを変えるという、かなりの「力作」になった。
時代とともに変えるべきこと。時代が流れても貫き通すこと。『笑点』は社会の趨勢を見極めながら、これからも最善を尽くして闘い続けていく。