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世界最小の恐竜卵の化石、丹波で発見

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 恐竜の卵の世界最小の化石が、兵庫県丹波市の白亜紀前期の地層から見つかった、と筑波大学などの国際研究グループが発表した。新種と判明し「ヒメウーリサス・ムラカミイ」と命名。丹波市ではこの時代の恐竜の卵が世界で最も多種類掘り出されたことになり、今後の恐竜研究への寄与が期待される。

 グループは昨年1~3月、丹波市山南町の約1億1000万年前の地層で大規模な発掘調査を実施。2015年以降の試掘も含め卵4点、卵殻約1300点の化石が見つかった。この中に長さ4.5センチ、幅2センチのウズラの卵ほどの細長い卵があり、構造の特徴から新種と判明した。卵は産んだ親の種類がすぐには分からないため、骨の化石とは独立に分類され、学名がつけられている。

 ヒメウーリサス・ムラカミイのヒメは小さくかわいらしいこと、ウーリサスは卵の石を意味するギリシャ語、ムラカミは地元で見つかった国内最大級の恐竜「丹波竜」発見者の村上茂氏に、それぞれ由来する。

 卵殻の微細な特徴から、大型肉食恐竜のティラノサウルスなどと同じ獣脚類で、鳥に極めて近い種類と判明。翼が生え、全身が羽毛で覆われた姿が想像されるという。卵の大きさから、親の体重は推定2キロ弱程度。卵や大量の卵殻が密集して見つかったことなどから、発掘現場は巣の残骸とみられる。

 この調査で見つかった卵や卵殻は4種に分類でき、いずれも獣脚類。ヒメウーリサス・ムラカミイのほかにも新種1種が見つかり「サブティリオリサス・ヒョウゴエンシス」と命名した。丹波市ではこれにより、白亜紀前期の恐竜6種の卵の化石が見つかったことになる。スペイン・テルエル州の5種を上回り、世界最多となった。

 筑波大生命環境系の田中康平助教(古脊椎動物学)は「小型恐竜の化石は、骨は壊れやすくてなかなか残らないが、卵は硬いので残りやすく研究上、重要な手がかりだ。多種類の卵が見つかると、そこに多様な恐竜が生きていたことになり、どんな恐竜がいたのかがみえてくる。日本には未発見の恐竜の化石がまだ多くあるだろう」と述べている。

 グループは筑波大のほか兵庫県立人と自然の博物館(三田市)、カナダのカルガリー大、同国王立ティレル古生物博物館などで構成。成果は6月19日付の白亜紀研究の国際専門誌「クリテイシャス・リサーチ」の電子版に掲載され、筑波大などが同23日発表した。今回の成果を受け、これらの化石が兵庫県立人と自然の博物館で8月末まで展示されている。