「鬼滅の刃」もMX4D・4DX上映開始!MX4D・4DX対応と興行収入の関係
劇場版「鬼滅の刃」無限列車編が興行収入311億7,000万円(興行通信社調べ・12/20現在)と空前の大ヒットです。 興行収入歴代一位の「千と千尋の神隠し」の316億8,000万円(同)という記録を超えられるかどうか、注目が集まっています。 さて、劇場版「鬼滅の刃」無限列車編は、12/26から「MX4D・4DX」版上映が決定しています。 今回は意外と知らないMX4D・4DX上映方式の違いや、「どういう作品」がMX4D・4DX上映対象になるのかについておさらいしてみました。
MX4D・4DX上映の特徴と、通常上映との違い
MX4D・4DXはそれぞれ異なる企業が開発している技術です。 「4DX」は韓国CJグループ傘下のCJ 4DPLEX社が、また「MX4D」は米MediaMation社がそれぞれ開発しています。名称が似ていることもあり、「同じもの」と考えてしまいやすいので、注意したいところです。 いずれの方式も、演出によっては座席が上下左右に揺れて移動したり、身体の各所に風や水が吹き付けられたりします。 したがって、通常の上映と比べて劇場内に持ち込めるものの制限が強いです。各劇場の注意書きを事前に読み、荷物は少なめにしておくことをおすすめします。 また、MX4D・4DXはそれぞれ別企業が開発している技術ということもあり、同じ作品であっても上映方式によって動き方などの演出のつけ方が微妙に異なります。その違いを比べてみるのも一興でしょう。 日本に先に上陸したのは4DXで、2013年に中川コロナシネマワールド(愛知県)が導入したのが始まりです。 少し遅れて2015年にMX4Dが上陸し、TOHOシネマズららぽーと富士見に最初に導入されました。MX4DはTOHOシネマズで導入されている方式なので、TOHOシネマズで4D上映を選ぶとMX4D形式となります。
封切後、しばらくしてMX4D・4DX対応するケースも
MX4D・4DX対応している劇場は全国で約80と非常に限定的です。一般社団法人日本映画製作所連盟によれば、全国にスクリーン数が3,583(2019年12月現在)あることを考えると、その希少性が伺えます。 また、各作品に合わせて動き・匂い・エアー・水の演出を組み込む必要があるという制約もあり、通常代金に1000円程度の追加料金がかかります。 したがって、MX4D・4DX対応は観客が「高いチケット代でもいい!」と思うような、大きな収益が見込めるタイトルに限定されます。 資金力があるハリウッド映画は初回上映時からMX4D・4DX対応し、それを喧伝しているケースも多く、「海外モノの特権」と勘違いしやすいですが、近年は邦画もMX4D・4DX対応タイトルが増えてきています。また、「鬼滅の刃」のように、上映後に追加で対応が決定するケースもあります。 さらに、初回上映終了後、2020年に4DX対応でリバイバル上映というケースもあるので、初回上映でMX4D・4DX対応されていなくても収益が見込めるタイトルであれば後ほど対応する可能性もあります。