携帯キャリアのポイ活プラン競争が激化 「auマネ活プラン+」の狙い、対抗策を打ち出したドコモの動きに注目
ドコモもポイ活プラン改定でauのお株を奪う、ソフトバンクはどう出る
先行する他社の決済連動料金プランにはないポイントのためやすさを打ち出したKDDIだが、この分野の競争は激化している。auマネ活プラン+に素早く追随した形になったのが、ドコモだ。同社は12月1日に「ahamoポイ活」と「eximoポイ活」を改定し、auマネ活プラン+と同様、ポイント還元をコード決済とクレジットカードに両対応させる。 ドコモによると、決済方法を多様化してほしいとの声があり、以前から改定の準備は進めてきていたというが、結果としてKDDIのauマネ活プラン+とほぼ同時期に、コード決済とクレジットカードの両方に還元することが実現した格好だ。先行して4月に導入されたahamoポイ活はd払いへの還元のみ、8月にスタートしたeximoポイ活はdカードやdカードを設定したd払いへの還元のみだったが、12月1日以降は、その制約がなくなる。 しかも、現時点ではキャンペーンを継続しており、どちらの決済手段を使っても還元率は10%と高い。キャンペーン終了後は、dカードが3%、dカードGOLDが5%、dカードPLATINUMが10%と、契約しているカードの種類で還元率は変わってくるものの、最低3%の上乗せからとなっており、ポイントはためやすい。しかも、上限がコード決済とクレジットカードに分かれておらず、利用の割合はユーザー自身で決めることができる。 au PAYとau PAYクレジットカードを均等に近い形で使っていかなければならないauマネ活プラン+より、還元を受けやすくなっているというわけだ。ahamoポイ活はdポイントを携帯電話料金に充当すると実質料金はデータ容量100GBで2750円、eximoポイ活だとデータ容量無制限で2728円まで下がる。もともと、ドコモのポイ活プランは大手3キャリアの決済連動料金プランの中で実質価格を最安に抑えていたが、決済手段の柔軟性が増したことで、その魅力が高まったといえる。 ドコモとKDDIの2社が、コード決済とクレジットカードの両方で還元を実施する中、ソフトバンクがどう対抗してくるのかにも注目が集まる。同社は2023年10月にPayPayの還元率が上がるペイトクを導入したが、その後、料金プランの中身は改定されていない。コード決済のPayPayでは最大5%の還元を受けられる一方で、PayPayカードで直接決済した際の恩恵がない。現状では、PayPayを通じてPayPayカード払いをした時のみ、還元の対象になる。 一方で、ペイトクもソフトバンクの武器になりつつある。その結果、中容量のサブブランドであるY!mobileから、メインブランドのソフトバンクへ移行するユーザーが増えているという。同社の代表取締役社長執行役員兼CEO、宮川潤一氏は「ペイトクの魅力を高めることをやっていきたい」と、料金改定の可能性も示唆している。還元額を加味した実質価格をこれ以上落とすのは難しいとみられるが、他社と同様、クレジットカードの決済に対応していく可能性は十分ある。金額だけでなく、いかにポイントをためやすくするかが決済連動料金プランの競争軸になりつつあるといえそうだ。
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