5月の企業倒産は1016件、12年ぶりに1000件超える 前年同月から46.4%増加 ― 全国企業倒産集計2024年5月報
アフターコロナで二極化進む、企業倒産は年後半にかけて増加基調を強める可能性
6月末をもって、新型コロナ関連の資金繰り支援策が終了する。7月以降、政府は一連の施策をコロナ禍前の支援水準に戻すとともに、事業者の経営改善・再生支援へと本格的に軸足を移す。信用保証協会、中小企業活性化協議会、政府系および民間の金融機関などによる支援が強化されるなかで、支援の手からこぼれ落ちる企業が一定数出てくるだろう。また、これらの組織が企業の経営改善や再生支援を検討・実行するなかで、法的整理を加味した再建スキームがこれまで以上に活用される可能性も十分ある。 2024年1-5月の倒産件数は4080件となり、前年同期(3224件)を26.6%上回った。とくに5月は1016件に急増し、2012年5月(1013件)以来12年ぶりに1000件の大台を突破するなど、リーマン・ショック時に匹敵する水準までシフトしつつある。企業向け貸出金利の上昇が現実味を帯びるなか、金利上昇の影響も無視できない。帝国データバンクの調査によれば、企業の4割近くが「マイナスの影響の方が大きい」としており、なかでも「不動産業」で利上げへの警戒感が強い。 アフターコロナで業績回復が進む企業と、経営悪化から抜け出せない企業の“二極化”が進むなかで、企業倒産は年後半にかけて増加基調をさらに強める可能性がある。