【AJCC】「菊花賞組は未勝利」でアリストテレスは危険?超難解な一戦で覚えておきたいデータ
中穴までは十分可能性アリ
1960年に日米友好の一環として創設。1984年から現在の1回中山最終週芝2200mに固定(ただし84年はダート変更、02年は東京に振りかえ)された伝統のGII戦である。GI馬の始動戦として知られており、実績馬が力を出す半面、19年フィエールマン2着(勝ち馬はシャケトラ)など真冬の始動戦ゆえ勝ちきれないこともある。 【日経新春杯 2021最終予想】激走馬発見!復活を期待したい本命馬とは?(SPAIA編) さらに近年はレース数を絞るトレンドも手伝い、以前ほど実績馬が出走しなくなった。21年AJCCは菊花賞2着アリストテレスの名前が想定にあるものの、GI馬は想定段階では不在。やや混戦模様のAJCCについて過去10年間のデータを基礎に分析する。 1番人気【3-3-0-4】をどう考えるか。複勝率は60%、馬券圏外にいなくなったのは10年で4頭。13~16年は4連敗、内訳はルルーシュ、レッドレイヴン、ゴールドシップ、サトノラーゼンでGI馬はゴールドシップ1頭だった。GI馬ではない場合は、1番人気を信頼しすぎるのは危険か。 そうは書きつつも、5番人気以内は【8-7-7-28】と堅実。上位人気馬には逆らえない。注目は7番人気【2-1-1-6】勝率20%、複勝率40%だろうか。17年タンタアレグリア、19年シャケトラと一年おきに好走中。21年は走る番ではあるが……。 10番人気以下は【0-1-0-43】、14年11番人気サクラアルディートのみ。大穴は狙いにくいが、中穴までは十分可能性はある。
前走菊花賞組は【0-2-0-3】
ここからはわかりやすく年齢別で傾向を探っていくことにする。 年齢別では5歳が【5-1-3-15】勝率20.8%、複勝率37.5%と目立つ。ちなみに単勝回収値は112。では具体的にどんな5歳馬が好走しただろうか。 まず5歳馬の前走クラス別成績をみると、3勝クラス【0-0-0-4】、オープン【0-0-0-1】、GIII【0-1-1-3】と格下のレースからここに出走する馬は苦戦傾向にある。 GII【1-0-1-3】は一見よさげだが、暮れの中京開催だった金鯱賞組が【1-0-1-1】なので、実質は【0-0-0-2】。そうなると頼りになるのは前走GI組【4-0-1-4】だ。2021年の想定では有馬記念15着モズベッロが該当する。 有馬記念は【2-0-0-1】なのでモズベッロは有力だろうか。有馬記念からAJCCを勝利した2頭は有馬記念4、5着(11年トーセンジョーダン、12年ルーラーシップ)と掲示板以内だった。有馬記念10着以下だった馬は出走ゼロ。モズベッロ、やや足りないか。 では次によさそうな4歳【1-4-3-12】を検討する。 4歳は5歳のようにあまり前走クラスの傾向がなく、どこからでも好走馬が出現する。ただし想定にいるのは全て前走GI組(菊花賞からアリストテレス、サトノフラッグ、ヴェルトライゼンデ、エリザベス女王杯からウインマリリン)なので、【0-2-0-3】の前走GI組を掘り下げる。 まずこの5頭は全て前走菊花賞だった。エリザベス女王杯からくるウインマリリンはデータ面では判断を保留したい。菊花賞での着順をみると、1着【0-1-0-0】、5着【0-0-0-1】、6~9着【0-1-0-2】で、2、3着の出走はゼロ。菊花賞7着ヴェルトライゼンデは前例ありだが、アリストテレス、サトノフラッグは悩ましい。 86年以降菊花賞組は【0-4-0-6】と勝ちきれない傾向で、1番人気にアリストテレスが押された場合は要注意。人気の項目で触れたように重賞未勝利の1番人気はやや頼りない。といいつつ、前走が菊花賞だった馬は86年以降でたった10頭しかおらず、今年は一気に3頭も出走予定、あっさりデータを覆される可能性もありそう。