うちの凸凹-外科医と発達障害の3人姉弟-高校受験どうすれば…発達っ子の「内申書問題」
こんにちは。外科医ちっちです。うちの3人の子どもは、全員が自閉スペクトラム症の診断を受けており、いくつかの困りごとを抱えています。一緒に生活するうえで、「こんな発想でこんなことをしてしまうのか」と驚かされることもあれば、「こうとしか考えられないのか」と辛い思いをすることもあります。この連載では、軽度の発達障害のわが子の日常や、子育ての様子を徒然なるままに綴ります。世の中にはこんな「変わっている子」「変わっている人」もいることを、いろいろな方に広く知ってもらい、医療現場でも役立てていただきたいです。今日は発達子の進学、特に内申問題です。
発達っ子の内申書、ここがネック
長女は高校受験を控える中学3年生になりました。 しかし、本人は進学することそのものには興味がありますが、「普段の成績=内申点が高い方が有利」ということとがつながっていません。 他の子に比べて、自分なりに行動したことと教師から評価されやすいことがずれやすく、さらに教師からの評価を基準に行動するには体力と精神力を必要とするためか、とりあえず問題先送りのその日暮らしです。 公立高校受験は以下の3つで判断されます(比率は都道府県による)。 ①当日のペーパー試験 ②面接(ないところもある) ③内申書(中3の2学期までの9科目の5段階評価、課外活動など)
この中で、日々の学校生活で取りに行かないといけない点数が内申点です。 内申点は9科目×5段階で45点満点。これが通知表の点数です。 算出法や反映するシステムは地域によって違います。中1~3の平均が反映される場合や、中3の2学期が反映される場合があります。
この内申点を取るために必要なもの3つ ‐授業中の積極的な発言や姿勢 ‐ノートをきれいに取る ‐プリントや小テストの提出
これは、我が家の子ども3人には難しいです。非常に難しい。 プリントは小学生時代から難しく、提出が必要なプリントも含めてほぼ見失っています。ランドセルの底にあれば良い方で、教室でもらった瞬間になくなります(机に突っ込んで、貯めすぎて溢れて、そのままごみとして捨てられている)。 ノートに関しては、DCD(発達性協調運動症)ゆえに字をきれいに書くのがそもそも難しいので、我が家は誰もノートをきれいに書けたことがありません。先生が求めている評価ポイントはノートをわかりやすく丁寧にレイアウトを考えて作る、ことです。レイアウトを考え出すと手が止まり、板書ができなくなります。 私としては、授業中のノートというものは人に見せる前提ではなく、自分の頭の中に入れるためのメモ書きであると考えているので、子どもたちにもノートを他人から見て分かりやすくきれいに書くというのは頑張らなくても良いと伝えています。板書をしようとすると、頭に入らないことが多いので。 字をきれいに書くこととノートをきれいに書くことは別問題です。 そもそも、うちの子たちは目的が明確で理解し納得しないと行動しない習性があります。目に見えないこと・具体的ではないことはイメージができないようです。 たとえば、技術や音楽。不器用で工作が苦手なのでやりたくないからやりません。