写真で振り返る房総半島台風 鋸南町・道の駅保田小で26日まで回顧展(千葉県)
鋸南町の道の駅保田小学校1階ギャラリーで、2019年の令和元年房総半島台風を写真で振り返る展示「被災5年回顧展」が開かれている。破壊された家屋や土砂崩れの様子など、町内各地で起きた被害の様子を地区ごとに55点の写真で紹介している他、被害件数をまとめた資料なども展示。災害を後世に伝えるとともに、防災意識の向上を呼び掛ける。26日まで。 同道の駅の活性化を目的に活動する住民団体「鋸南みまもり隊」が主催する。同団体の山本正大さん(40)は、「この台風を機に、各自治体の災害史を調べると、これまで知らなかったが、大きな被害をもたらした『東京湾台風』(1917年)などがあったことを知った。2019年の台風を風化させることなく、定期的に振り返ることで、町の防災につなげたい」と、中心となって回顧展を企画。自身や知人が撮った写真の他、町役場、自衛隊、東京電力などに呼び掛け、提供写真を集めた。 写真は、地区ごとにまとめて展示されている。下佐久間のかわらが飛ばされた民家に、根元から折れた電柱が道をふさぐ様子や、ブルーシートで覆われた民家が点在する勝山、屋根が吹き飛ばされ、屋内から青空が見える様子を写した写真などが並び、被害の大きさを改めて確認できる。 この他、ボランティアや自衛隊などが復旧に向けて活動する様子などを収めた写真や、電柱や家屋の被害件数、停電戸数などをまとめたデータの表や図の展示もある。 2日に友人と訪れた鈴木武助さん(88)=同町保田=は当時、自宅の屋根が大きな被害を受け、ブルーシートで応急処置をするなど対応に追われた。「当時は自分の被害のことで精いっぱいだったが、こうして写真で見ると町全体が被害を受けており、大きな災害だったことが改めてわかる」と、一つ一つをじっくりと見ていた。 山本さんは「当時を思い出したくない人も多いと思うが、被害を知ることで、今後またあるかもしれない災害の備えの一つにしてもらえれば」と呼び掛けている。 時間は午前9時~午後5時。問い合わせは、山本さん(090・8050・5732)へ。