“アハモ旋風”になるのか?携帯料金の値下げ競争の舞台裏で見えたものとは…
■“さよならau”なぜ起きた?
KDDIは12月9日に「データMAX 5G with Amazonプライム」を発表しました。このプランは、割引を適用しない場合、月額9350円と高価格なプランですが、5Gの普及を目指す中で、動画サービスに付加価値を付けたプランです。 【映像】アハモに戦々恐々 競合2社対抗策は しかし、発表直後、ネットではNTTドコモのahamo(アハモ)と比較して「高すぎる」「がっかり」などと批判する声があがり、一時Twitterでは「月9350円」「さよならau」などがトレンド入りする事態になりました。 今回のKDDIの新プランは、値下げプランではなく、アハモへの対抗策でもなく、5Gの普及とともに動画サービスを充実化させるというこれまでの「流れ」の中で打ち出したプランです。しかし、NTTドコモがアハモという値下げプランを打ち出し、政府も“値下げ圧力”をかける中で、世論の期待が高まりました。そして「プラン」や「携帯料金」というワードに敏感になっているということがうかがえます。 取材をしたある大手通信関係者は「これは完全な“もらい事故“で、タイミングが悪かったとしかいいようがない」「これから何か発表するのが怖くなってきますね」と嘆く。ここから、見えてくる値下げ競争の実態は、事業者側がすべて主導していくものではなくて、世論の要素も大きくかかわっているということです。
■アハモの正体は、サブブランド?それともメインブランド?
このドコモメインブランドでのプランと位置付けた値下げプラン「アハモ」は世論に大きなインパクトを与えたことは言うまでもありません。私の周りでも「アハモに乗り換える」「もう予約した」なんていう声をよく聞きます。ドコモ関係者は「予約の数字はまだ公表できないが、かなり反響がある」と話します。 しかし、通信業界では、このアハモを「メインブランドでの値下げ」だという人はほとんどいません。ドコモ関係者ですら「事実上のサブブランドです」と話します。 というのはドコモとしては、このアハモは、UQモバイルやYモバイルと同じ並びである「サブブランド」として打ち出す予定で調整を進めていたのですが、総務大臣がサブブランドでの値下げは「羊頭狗肉」などと強く批判したことを受けて、直前で、メインプランとして無理やり位置付けました。