EV航続距離は100km以上!? 三菱のPHEVクロスオーバーSUV『アウトランダー』がパワーアップ!ヤマハのオーディオも初採用
三菱自動車はクロスオーバーSUV『アウトランダー』を大幅改良し、10月31日に発売すると発表した。PHEV性能を大幅に強化し、EV航続距離は100km超に高めたほか、内外装のデザインを刷新。快適装備を追加するとともに、こだわりのサウンドシステムも用意された。 PHOTO:橘 祐一(TACHIBANA Yuichi)新型アウトランダーではコンセプトである力強さ、上質感、頼もしさ、滑らかな走りをこめた"威風堂々"をさらに洗練。より上質な乗り心地とより安心感のある操縦安定性を実現。快適性や機能性を高めたより上質なインテリアには、画面サイズを拡大したナビゲーションシステムにより先進感も高めている。さらに、PHEVシステムの強化により、EV航続距離を延伸しただけでなく、走りはより力強く滑らかになっているという。 【画像】三菱の新型アウトランダー。 エクステリア ユーザーには従来から好評だったエクステリアは小変更に留めつつも、ディティールを磨き上げ、より上質で力強いルックスを獲得。アウトランダーの力強く頼もしいイメージがさらに高められている。 ■新デザインポイント 新デザインとなったのは、フロントグリル、フロントとリヤのバンパー・スキッドプレート、リヤコンビランプ、アルミホイールだ。 また、ボディカラーはツートーン5色、モノトーン8色を設定。「ムーンストーングレーメタリック」を新色として用意している。ソリッド調のグレーをベースにシャープなブルーの輝きをプラスしたグレーメタリックは昨今のカラートレンドを反映したものだ。 ■ボディカラー [ツートーン] ムーンストーングレーメタリック/ブラックマイカ ホワイトダイヤモンド/ブラックマイカ ブラックダイヤモンド/シルバーメタリック レッドダイヤモンド/ブラックマイカ グラファイトグレーメタリック/ブラックマイカ [モノトーン] ムーンストーングレーメタリック ホワイトダイヤモンド ブラックダイヤモンド レッドダイヤモンド グラファイトグレーメタリック スターリングシルバーメタリック コズミックブルーメタリック ブラックマイカ インテリア 三菱の最上級車種として上質なインテリアを備えたアウトランダーだが、ユーザー層はヨーロッパプレミアムブランドと競合しており、さらなる洗練が求められた。 「P」系グレードにはセミアニリンレザーシートを標準装備するだけでく、運転席と助手席にはシートベンチレーションを採用。夏場に暑くなりやすいレザーシートでも快適さを高めているだけでなく、エアコンが苦手な人にはありがたい装備だ。 さらに、スマートフォン連携ナビゲーションはHDディスプレイのサイズを従来の9インチから12.3インチに拡大。グラフィックも変更することで操作性と先進感を高めている。また、室内ルームランプもLED化することで室内はもとより、アルミペダルで足元からもより上質なインテリアに仕立てられている。 フレームレスタイプのデジタルルームミラーを採用(「M」グレード以外)し、後方視界を改善した点も新型のポイントになっていると言えるだろう。 オーディオシステム 従来モデルからBOSEのオーディオを採用するなど、EVらしい静粛性を活かした音響環境にこだわってきたアウトランダーだが、新型ではアウトランダー専用としてヤマハと共同開発したオーディオシステムを採用。"音"へのこだわりはさらなる高みへと到達した。 「P」「G」「M」グレードには8スピーカーの「Dynamic Sound Yamaha Premium」を、「P ExectivePackage」には12スピーカーの「Dynamic Sound Yamaha Ultimate」を装備。標準でデッドニングまで施されたインテリアで不要なノイズを防ぎ、アーティストの息づかいまで再現したハイクオリティなサウンドを実現。車内を最高のリスニングルームに変貌させた。 パワートレイン PHEVパワートレインはバッテリー容量を従来モデルの20.0kWhから22.7kWhに強化。これにより電池単体出力は60%増し、システム総合出力では約20%アップを達成。加速力も高まっているが、これはランサーがランサーエボリューションになるくらいの差があるという。もちろんEV航続距離も伸びており、従来の83km(87km)から102km(106km)と、100km台となりEV走行がより使いやすくなった。 数値面ばかりではなく、従来モデルよりもシームレスな加速性を実現しており、これまで10.2秒だった0-100km/h加速は8秒以下に短縮。一気に加速する高速道路の料金所や、追い越し・上り坂でもエンジン始動頻度を下げて静かで快適な走行を実現している。普段使いでも、リニアな一方でスムーズなレスポンスで微妙な加減速でギクシャクせず、速度コントロールもしやすくなった。 また、PHEVシステムばかりでなく、タイヤ、サスペンション、スタビライザーなどを見直して最適化。走行時の質感や安心感も改良。ヨーロッパでの2500kmにも及ぶ実走テストでプレミアムブランドに匹敵する走りを実現した。 舗装継ぎ目やマンホールなどを通過する際のショック、うねりや波打った路面での車体の揺れを低減。上質で落ち着いた乗り心地は現行モデルからさらに向上している。 ステアリングフィールも改善。中高速時の操舵剛性を向上させしっかり感を高める一方で、据え切り時の操舵力を軽減して駐車時はより扱いやすくなった。 グレード・価格・スペック ボディタイプは従来モデル同様に5名乗車と7名乗車を用意。グレードはそれぞれ装備や仕様の違いにより「G」「P」に加え最上級グレードとして「P Exective Package」を設定。「P」系は前席シートベンチレーションや前後席にシートヒーター、3ゾーン独立温度コントロール式フルオートエアコンなどの快適装備が標準となっている。 価格は526万3500円(「M」)~668万5800円(7名乗車「P Exective Package」)。 2.4L直列4気筒DOHC16バルブMIVECエンジンにツインモーター4WDを組み合わせるスペックは基本的に全車共通。5名乗車モデルにエントリーグレードとして用意される「M」にのみ18インチタイヤを装着するが、「G」「P」系は全車20インチとなる点が異なっている。 世界初のSUVタイプの四輪駆動PEHVとして登場し、同クラスでは世界一の販売台数を誇るアウトランダーは、三菱の最上級車としてさらなる進化を遂げ、歴代最高のモデルに成長したと言えるだろう。世界のプレミアムブランドSUVとも競合するモデルとしての期待度は大きい。
MotorFan編集部
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