富裕層家庭の「お金の管理」は、誰がしてる?お金の単独管理が危険な理由
お金のことで夫婦喧嘩になるのは世界共通のようです。アメリカでは、お金が離婚の理由というケースが35%とも50%ともいわれています。しかし、老後2,000万円必要と言う話もでている昨今、夫婦喧嘩している場合ではないようです。日本でも、老後に向けた資産形成がアメリカのように自己責任となりつつあります。だれが家計管理をするのか。資産形成について夫婦で改めて話し合ってみませんか。
家計管理は誰?
日本は昔から家計管理を妻に任せるという家庭が多いようです。これは、2020年3月、松井証券(株)が行った「夫婦の家計管理事情に関する調査」でもその傾向は明らかになりました(※1)。若年夫婦と熟年夫婦計800名を対象にインターネット調査を実施したところ、45%の家庭が「妻が管理している」という事でした。さらに、「妻が管理」に満足している夫は7割以上いるようです。 一方アメリカはどちらというと、お金のことは男性が管理する傾向があります。過去世代は、男性の方が教育レベルが高かったことや、家族を守ること、家計を支えることは男の仕事であるという独特のマスキュリニティ精神が背景にあるといえます。 また、貯金で資産形成する日本と違い、アメリカは国からの年金では足らないだろうと、老後資金を株式投資で増やす家庭が多いです。多くの女性は投資の判断は自信がない、夫のほうが優れていると考えていることも、家計管理を夫に任せる理由のようです 女性の教育レベルの向上や共働き家庭が増えたこともあり、男性が管理する傾向は変わりつつあるものの、まだ根強いようです。
富裕層家庭の「お金の管理」、誰がしてる?
とくに資産がある家庭では、女性が男性に任せる傾向が強いようです。UBS Global Wealth Management社が2020年2月に準富裕層以上の既婚(同棲)男女、投資可能資産が最低25万ドル(約2,600万円)以上保有する25歳以上を対象とした調査“Own your worth 2020”(※2)では、49%の女性が男性に家計管理を任せているということです。 その中でもミレニアル世代(25~39歳)の女性54%が、夫に長期的な家計管理を任せているとのこと。ブーマー世代(55~75歳)の39%を上回っています。「共同管理するべき」と、理屈は分かっている高学歴のミレニアル世代の女性でさえ、夫の方が自分より知識があるだろうと投資には関与しない姿勢を見せているということです。 同調査書におけるその理由は様々。しかし育った家庭環境の影響は大きいと指摘しています。父親が長期的な投資を管理し、母は日々の家計を管理しているという家庭で育っいる女性に、そのような傾向が多くみられるといいます。つまり、父親が株式投資をしている環境で育った女性は、「男性(父親)に経済的に守られてきた」という意識が強いのかもしれません。