菅首相が2ヶ月半ぶりの会見でお願いしたこと コロナ感染拡大をめぐり
東京五輪への意気込みも
経済政策については「国民の命と暮らしを守る、そのために雇用を維持し、事業を継続し、経済を回復させ、新たな成長の突破口を切り開く」と言及。 パートや非正規労働者などへの雇用調整助成金の支給延長に必要な予算の確保、最大4000万円の無利子無担保融資の来年前半までの期間延長や「ひとり親世帯」への給付金の給付などの施策をあげた。 こうした支援を通じて、「現在の厳しい状況をなんとか乗り越えていただき、経済回復の足がかりとしたい」と述べた。来週にも追加の経済対策の具体的な内容が決まる見通しだという。 菅首相はさらに「ポストコロナ」のためとして、自らが訴えてきた脱炭素化社会やデジタル化の実現が必要ともアピール。まずは政府が環境投資を後押しするために、「2兆円の基金」を創出し、イノベーションに挑戦する企業を今後10年支援すると表明した。 そのうえで「いまだ新型コロナウイルス感染続く中で、いま大事なのは安心感、そして将来への希望です」とも語り、「当面は何が起きても対応できるように、十分な額の予備費を確保」するとした。 また、延期されている東京五輪については、「人類が団結してウイルスに勝った証として開催する」との意気込みを見せた。
プロセス見直しについては明言せず
感染拡大の対応をめぐっては、自治体と国との権限が曖昧なため、「GoTo」事業の見直しなどについて、混乱も広がっている。 質疑応答では、「より迅速な対応のため」に、政府の意思決定プロセスを見直すか否かについて、質問もあがった。菅首相はこれについて明言することを避け、政府として必要な見直しは迅速に行っていきたい」と語るに止めた。 一方で、ワクチンの具体的な接種時期に関する質問に対しては、「安全性と有効性を最優先に、全額を国が負担し、直ちにワクチン接種できるように準備中」と回答。 「政府の方から予断を持って時期を明確にするのは控えたい」としながら、自らが接種するかについては「医療関係者や高齢者など、順番をこれから決める。自分に順番が回ってきたら接種させていただきたい」と語りながら、笑った。菅首相は71歳だ。 菅首相自身が「国民に寄り添う」などという一方で、2ヶ月半にわたって感染が拡大していたにもかかわらず、会見が開かれなかったことに触れる質問もあった。 この点については、「私自身も機会があるときにぶら下がりなどでメッセージを発出している」としながら、「政権としてコロナをはじめとする対応策、もっとしっかり発信していきたいと思います」と語った。
千葉雄登