ヴィッセル神戸、優勝は最終節に持ち越し 柏と1-1 最終盤、武藤が劇的ゴール
明治安田J1リーグ第37節第1日の30日、ヴィッセル神戸は敵地の三協フロンテア柏スタジアム(千葉県柏市)で柏レイソルと対戦し、1-1で引き分けた。後半追加タイムに武藤のゴールで追いついた。神戸は20勝9分け8敗で勝ち点69となった。FC町田ゼルビアが京都サンガFCに1-0で勝ったため、優勝争いは最終節までもつれ込んだ。 【写真】柏戦の前半、ドリブルする神戸の酒井 予期しない結末が待っていた。敗戦が濃厚となった後半追加タイム。神戸は武藤が相手DFのジエゴとの競り合いでファウルを受け、PKを獲得。これ以上ない重圧がのしかかる中、大迫がゴール上に大きく外した。 だが、これで終わりではなかった。最後に武藤がゴール前の混戦で押し込んだ。一度はオフサイドの判定となったが、ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)の結果、ゴールが認められると、武藤はユニホームを脱いでゴール裏へ駆け出した。 序盤の失点が重くのしかかった。前半5分、柏に与えた最初のCKから木下に頭で合わせられ、重視していた先制点を許した。神戸は得意のロングボールが前線で収まらず、効果的な攻撃を展開できない。逆に球際で上回られ、カウンターからピンチを招いた。 後半開始から佐々木と本多、後半途中には山口、汰木(ゆるき)、広瀬を相次いで投入。山川を下げ、酒井を左に回す執念の采配を見せた。 リーグ戦では直近6戦で2分け4敗と相性の悪い相手。今季一つ目のタイトルを手にした天皇杯全日本選手権の決勝と同じ布陣で臨んだ。勝てば残留が決まる柏に対し、「気持ちで受けに回らず、自分たちで仕掛ける」と語っていた吉田監督。押される展開となったが、「難しい試合でも、やるべきことを徹底する」と終盤には猛攻を仕掛け、同点にこぎ着けた。