“出来ることから…” 両陛下 オンラインで被災地お見舞い
1月、天皇皇后両陛下は去年7月に発生した熊本県の豪雨災害の被災地をオンラインで見舞われました。今後、東日本大震災の被災地訪問もオンラインで行われることになっています。両陛下の思いについて、長年皇室取材に携わってきた日本テレビ客員解説委員の井上茂男さんに聞きました。
新型コロナで初めて被災地をオンラインでお見舞い
天皇皇后両陛下は1月27日、熊本県や4つの市町村とお住まいをインターネットでつなぎ、被災地を見舞われました。2020年の7月豪雨により、熊本県では、死者行方不明者67人という甚大な被害が出ました。両陛下は、被災状況をビデオで見たあと、被災した人や災害対応に尽力した人たちの話に耳を傾けられました。天皇陛下は、新型コロナウイルスもあり、子供たちに元気が無くなってきていると聞いて、「ご心配ですね」と子供たちの心のケアを気にかけ、皇后さまは、「大勢の方の救助に尽力されて、ありがたく感じております」と災害対応をねぎらわれていました。 ーーコロナ禍の中で初めてオンラインでの被災地お見舞いとなりましたが、どのようにご覧になりましたか? オンラインによる交流は、2020年11月、新型コロナウイルス感染症の対応状況を視察するための、日本赤十字の4病院訪問から始まりました。その後、高齢者施設なども視察されるなどスピード感を持って進められています。ご訪問の狙いは「人々の中に入っていき、ねぎらい、話を聞き、励ます」にあります。直接の会話と、画面越しの会話では違うでしょうが、目を合せ、話に耳を傾け、心を寄せることはオンラインでも可能です。それがわかって、これから広がるだろうと思っていました。 ーーそして、この形が東日本大震災の被災地訪問にも生かされることになったんですね はい。オンラインでの被災3県訪問が、両陛下の強いお気持ちで行われることになっています。今年は東日本大震災から10年の節目の年です。被災地に長く心を寄せたいという意向を示されてきた両陛下ですので、もちろん直接訪問したいという気持ちをお持ちでしょうが、出来ることからということなのだと思います。2月16日に予定されていた福島お見舞いは、13日に発生した地震のため当面見合わせることになりましたが、順次行われる予定です。両陛下と接した熊本の人たちも、喜び、元気づけられていましたから、積極的に進めてほしいです。