東京都の小池百合子知事は10日、記者会見を開き、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するための措置を発表した。会見で小池知事は、人と人の接触を8割削減するために一部施設への休業要請をすることとしたとしたうえで「危機管理は、最初に大きく構えて、そこから状況が良くなると緩和していく。様子を見てから広げるのではなく、最初に広げて段々縮めていくというのが普通の危機管理ではないかと私はそのような考えを持っており、都民の命を守るためにはそのようなコンセプトこそが必要」と危機管理に対する考えを披露した。

「天の声が聞こえて中間管理職になった気分」

[画像]会見する小池知事

　「都としては国と協議した上で、外出自粛に加え施設営業休業を要請した」。小池知事は当初、政府が「緊急事態宣言」を出した7日に、休業要請を行なう対象施設を発表する予定だったが、国から「外出自粛の効果を見極めてから」という意向を受け、発表が遅れたとの思いをにじませた。 　新型コロナウイルスに対応した特別措置法に基づく政府の「緊急事態宣言」を見据え、都では休業対象施設などについて事前に検討を進めてきたが、「途中から国との協議が入ってきた」。国との協議をめぐっては「権限は社長かと思ったら、天の声が聞こえて中間管理職になった感じ」と心境を吐露し、「感染爆発の重大局面にある東京にとって、『ここから（外出自粛で）2週間状況見て』はあまりにも酷である。地域に合った形にしてもらえないかということで、お認めいただいた」といきさつを語った。 　都では昨日（9日）、これまでで最多となる181人の新規感染者が出た。「（東京都は）他の道府県と比べて数が突出している。多くの人が往来し、日本最大の歓楽街もある」と述べ、首都東京で新型コロナウイルスの感染拡大を防止することが重要であることをあらためて訴えた。 　都民に対しては「不便をおかけします。これまでのライフスタイル、『こんなこと考えたこともなかった』ということをお願いする。これまでの楽しみを奪われちゃうと思う人もいると思うが、長期的には早期の感染収束につなげることができる。都民の皆さんに協力をお願いする」などと語った。