The“砂時計”ボディで日本大会総合優勝に輝いた31歳 大会1週間前に大ケガも…自慢のアウトラインで勝利
12月8日(日)、 ベルサール渋谷ガーデンにてフィットネスコンテスト『サマー・スタイル・アワード JAPAN PRO GRAND PRIX』が開催され、麻田ゆん(あさだ・ゆん / 31)さんが全体的に脂肪は少なく引き締まった身体が求められる身長161cm以上のカテゴリー、プロ・ビューティフィットネスモデル部門トールクラスで1位を獲得した。さらに麻田さんは、同部門他クラスの優勝者と競われるオーバーオールでもチャンピオンの座を手にし、正真正銘の”日本一”となった。 【写真】麻田ゆんさんのThe・砂時計ボディ
本団体が主催する大会への出場は3年ぶりとなった麻田さん。サマー・スタイル・アワードへの復帰を決意した理由からは並々ならぬ覚悟が感じられた。 「この数年間は審査員や講師としてサマスタに関わらせていただいていました。最後に私がサマスタに出場をした当時はまだ"プロ"というカテゴリーもなくて。いつかまたサマスタのステージに戻りたいという気持ちはあったものの、選手のレベルが年々上がっていることは講師として体感していたので、躊躇していました。そして、どうせ戻るなら特別なタイミングで復活したいとも思っていたんです。大好きなこの団体を盛り上げたいという気持ちもあり、復活するなら10周年を迎える今年だと決めていました」 覚悟をもって出場を決意した今大会。トレーニングも着々と積み、調整に励んでいた本番1週間前の麻田さんに突如悲劇が訪れる。 「実は大会1週間前に左脚大腿直筋の肉離れをしてしまったんです。しかも、練習中ではなく寝ようとしたときに突然激痛が走って……。予選の時から左脚の調子は悪く、なんとなく違和感はあったものの、まさかここまでの大怪我につながるとは思ってもいませんでした。内出血も広がり、松葉杖がないと歩行も困難なほどだったので、正直心は折れかけましたね。メンタルも落ち込み、何度も泣きました」 最後まで下半身には不安を抱えながらも、怪我を負ってからは可能な範囲でトレーニングを継続した麻田さん。どのように身体を作り込んだのだろう。 「まずは私の強みであるアウトラインを強調させるトレーニングを継続しました。さらに、下半身のハリのない”ぼてっ”とした質感が気になっていたので、少しでも引き締まって見えるよう、ラストスパートにかけてより一層頑張りましたね。有酸素運動や、膝上に乗った肉をなくすために軽重量でレッグエクステンションを行いました」 コンテスト当日は自慢のアウトラインを武器に見事なステージングを披露した麻田さんに身体作りのコツを伺った。 「身体作りは楽しく続けることが一番です。『こんな身体になるべき』という固定概念や、コンプレックスの呪縛で自分のことを嫌いになってしまうのは良くないと考えています。まずは今の体型と自分のことを理解する。身体はすぐに変わるものではありませんから、コツコツを意識しましょう。そしてトレーニングは自分磨きをするための1つのツールとして考えると良いと思います。身体の変化で筋トレの楽しさを感じられたらコンテストへの挑戦も考えてみる。一段一段、階段を登れば良いのです。また、継続をする上で大切なのが目標設定です。大きな目標も大事ですが、まずは小さな目標から設定してみましょう。目標をクリアすることがモチベーションへつながりますよ」
【SSAアンチドーピング活動】SUMMER STYLE AWARD(サマー・スタイル・アワード)はJBBF(公益社団法人日本ボディビル・フィットネス連盟)とアンチドーピング活動について連携を図って協力団体となり、独自にドーピング検査を実施している日本のボディコンテスト団体である。全ての選手登録者はアンチドーピング講習の受講を必須としており、SSAから指名された場合はドーピング検査を受けなければならない。
取材:池田光咲 撮影:夏目英明