パリ五輪・誹謗中傷「嫌ならSNSやめろ」という人に言いたい事 「誹謗中傷やめない人」の驚く“思考回路”
連日、日本人選手の活躍で盛り上がるパリ五輪で、選手や審判などに対する誹謗中傷が深刻な問題になっています。 【写真】誹謗中傷を受けたオリンピック選手たちが「Xにつづった“思い”」 最も反響を集めているのが、7月28日の柔道女子52キロ級で2回戦敗退した阿部詩選手に対する厳しい声。敗戦後、人目をはばからず号泣したことに「恥ずかしい」「見苦しい」などと批判の声があがったほか、「3年間何をしていた」「タレント気取り」などの心ない声も散見されました。 同じ柔道では、同27日の男子60キロ級準々決勝で不可解な敗戦を喫した永山竜樹選手の対戦相手・フランシスコ・ガリゴス(スペイン)選手に誹謗中傷が続出。
故意かどうかはわからないものの、審判から「待て」が出たあとも絞め技を続けて永山選手が失神したことに、「汚いやり方で取った最も恥ずかしいメダル」「人間性を疑う」「柔道をやめろ」などの厳しい声が浴びせられました。 さらにバスケットボール男子の日本対フランス戦では、残り10秒で日本がファウル判定に。これがきっかけで延長戦に持ち込まれて敗戦したことから、審判への批判が殺到しました。 「(審判を)やめろ」「二度と選手と同じコートに立つな」「誤審で勝たせてうれしいですか」などの声が浴びせられ、日本語だけでなく英語もあったことから国を問わず誹謗中傷が寄せられているようです。
■JOCが異例の声明で警告 東京五輪のときも誹謗中傷が問題視されましたが、今回はそれを上回るムードがあり、実際、国際オリンピック委員会(IOC)は選手村内にSNSで傷つけられた選手などの心のケアを行うスペースを新設しました。 また8月1日には、日本オリンピック委員会(JOC)が「TEAM JAPANを応援いただく皆さまには、誹謗中傷などを拡散することなく、SNS等での投稿に際しては、マナーを守っていただきますよう改めてお願い申し上げます」といった異例の声明を発表しています。
しかし、そもそも犯罪行為をしたわけではないスポーツの関係者に、なぜこれほどの誹謗中傷が浴びせられてしまうのでしょうか。 ここでは単に「誹謗中傷はよくない」と断罪するのではなく、なぜその行為に至るのか。しなくなるためにはどんな思考が必要なのか。実際にネット上で誹謗中傷を繰り返した人の悩み相談に答えてきたコンサルの立場から、その背景や対策をあげていきます。 ■「知らない」ことで強気になれる なぜ、会ったことがない、よく知らない人を誹謗中傷してしまうのか。