横浜商大高が4-0で旭丘を圧倒し2次予選進出 「チャレンジャー精神で強豪校を倒したい」主将MF髙田渉真
第103回全国高校サッカー選手権神奈川予選は7月21日に1次予選ブロック決勝2日目が県内各地の会場で行われ、横浜商大高と旭丘が対戦した。 【フォトギャラリー】 横浜商大高 vs 旭丘 試合は横浜商大高が主導権を握り続ける。前半14分、右サイドに走りこんだFW9笹田貴稔(3年)を起点に、パスでつなぎ、最後は中央からMF8髙田渉真(3年)がシュートを決め先制。さらに4分後の18分、サイドチェンジからMF14西田元輝(2年)が叩きこんで2-0とし、前半を折り返した。 ハーフタイム、横浜商大高イレブンから聞こえたのは「3点目!」という追加点を取りに行く声。そして「相手は諦めてはいない。だからチャレンジャー精神で行こう」「気持ちで相手を上回ろう」というメンタル面を強調した声があった。今一度、気を引き締め後半へ。 これが功を奏したのか、後半12分、個人技で持ちこんだMF20鈴木智喜(1年)が決め3点目。攻撃の手を緩めない横浜商大高は終了間際の35+5分、左サイドのクロスに頭であわせたMF20鈴木が決め4点目を決めて試合終了。横浜商大高が4-0で旭丘に完封勝利をおさめ、2次予選進出を決めた。 勝った安達伸彦監督は「予選ブロック決勝というプレッシャーのかかるなか、相手よりも強い気持ちで試合に臨み、相手より走ることができました。関東大会予選、インターハイ予選での負けをただの負けとせず、この1次予選で生かしてくれました。自分たちでチャレンジして、目標をクリアしてくれたことに感謝したいです」と総括した。 パスワークから、ミドルレンジから、個人技から、そしてサイドから圧巻の4得点。印象に残ったのは1点目が決まった前半14分前後から、飲水タイムを挟んで、前半30分くらいまでの約15分間。特にこの時間帯はアリバイのようなパスがなく、イレブンは意志と意図を持って、パスをつなぎ倒した。その中心にいたのが、先制点を挙げた主将のMF8髙田。4-4-2のボランチの位置から正確な判断から繰り出されるパスから味方を、そして相手をコントロールした。その髙田、先週、行われた3回戦はケガのため、欠場。実は今回、出場が微妙だったそうだが、復帰明けとは思えないほどのプレーを見せた。 髙田を奮起させたのは腕に巻いたキャプテンマーク。本来、主将は永井柊羽(3年)が務めていたが、鎖骨と肘のケガに伴う手術のため、長期離脱を強いられた。この間、高田が代わって主将を務めている。 安達監督は「これまで髙田がチームを引っ張ってくれ、責任感を持ってプレーしてくれています。(きょうの試合では)髙田を中心に選手全員が追加点を取りに行こうとしていました。選手たちがゲームの流れを読み、各々がゲームプランを持っているからこそ、考えを共有して戦えました」と髙田の存在とチームの強みを語った。 またMF8髙田は「キャプテンを任されているのでチーム全体の集中力を切らさないことを意識しました。またプレーに関しては体力が武器なので、攻守にわたって、運動量で見せられました」と振り返るとともに2次予選にむけ、「今年はまだトーナメントで勝ち進めていないので、勝つことは大前提としてチャレンジャー精神で強豪校を倒したい」と腕をまくった。 走れて、戦えて、個人技も高い多士済々の横浜商大高イレブン。このチームに漂うのびのびとした雰囲気は、コンセプトである主体性と自主性によるもの。安達監督は試合前、ハーフタイム、そして試合中と必要以上に指示は出さない、いわば静観の構え。選手に託しているといえる。 その心を安達監督はこう語る。「プレーする選手たちの考えを尊重すること」。ここに横浜商大高の強みがある。 (文・写真=佐藤亮太)