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大分市の霊山寺で遺骨を土に返す「自然葬」 墓の管理困難、ニーズに応える

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大分合同新聞

 大分市岡川の霊山(りょうぜん)寺(稙田恵秀住職)が今月から、遺骨を土に返す「自然葬」を始める。少子高齢化などで先祖代々の墓を管理、継承するのが難しいケースが増え、「墓じまいしたい」「跡継ぎを必要としない永代供養墓がいい」といったニーズに応えるのが狙い。寺によると、同市では初めてという。境内の埋葬場所にモニュメントを設置し、9日に完工式を開く。

 稙田住職(89)によると、最近は「自然の中で土に返って眠りたい」といった要望も増えている。「かつては自然葬が当たり前で、多くが土葬されていた。残された家族への負担も考慮し、こうした埋葬の形を選ぶ人が増えるのではないか」とみる。  寺は霊山(596メートル)の中腹にある。敷地の一角にステンレス製の円形モニュメント(高さ約4・5メートル、直径約5メートル)を設置し、中央には本尊を模した十一面観音菩薩(ぼさつ)像を祭った。像の足元には特殊な土を配しており、遺骨を埋めると長い時間をかけて大地に返る仕組みという。  設計は住職と交流があった建築家の松田周作さん(41)=同市府内町=が手掛けた。「自然の中にあえて現代的な人工物を置き、約1300年にわたる寺の歴史や景観を際立たせた」と話す。  周辺には本堂や鐘突き堂、展望台、オオイタサンショウウオが生息する弁天池があり「回遊庭園としての可能性を感じた」。  寺で座禅会や写経会を開いている木原寛さん(44)=同市勢家町=と一緒に昨年9月から弁天池の土砂をかき出し、竹や雑木を伐採して遊歩道などの整備を続けている。  松田さんの下で学ぶ大学生や、フェイスブックで取り組みを知った市民らも参加し、週末に汗を流している。  一帯は由布岳や鶴見岳、高崎山、別府湾が一望でき、秋は紅葉狩りが楽しめる。市認定の森林セラピーロードとしてトレッキングを楽しむ人の姿も多い。  稙田住職は「山や草木のエネルギーがあふれる場所。新たな憩いの場として末永く親しんでもらいたい」と願っている。 <メモ>  霊山寺は708年創建。かつては最澄(さいちょう)、空海ゆかりの修験道場として栄えた。松平忠直が寄進した山門は大分市の指定文化財。自然葬の費用は1人35万円。月1回法要し、親族はいつでもお参りできる。生前予約も受け付ける。問い合わせは同寺(TEL097・541・0162)。

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