中学受験、3兄弟の末っ子だけが不合格。複雑な母の心を救った三男の言葉とは【体験記】
「同じように育てたはずなのに、なぜこんなに違うの?」は、きょうだい“あるある”。趣味趣向、性格以外にも、成績や進路などわかりやすい部分での差異に、親は悩まされがちです。今回は、男子3兄弟とも中学受験を体験し、長男、次男は同じ志望校に合格したものの三男だけが不合格になり、公立中学に通うことになったMさんのストーリーを紹介します。 【マンガ】中学受験で合格したのに「やっぱり地元の公立中に行く」 息子の告白に両親が出した“答え”とは?(全35枚) ■飲み込みの早い兄たちと気づかぬうちに比べていた 東海地方に住むMさん家には、2歳ずつ歳の離れた男子三兄弟がいて、地元の国立中学を受験しました。長男・次男とも、模試の成績はA判定がほとんどで、さほど苦労もせずにすんなりと合格。それを見ていた三男のTくんも当然のように「同じ学校に通いたい」と言い出しました。 兄たちと同様に小学5年生から塾に通い始めたのですが、ほとんど勉強もせず、それでいてなんの危機感もない様子に、塾の先生からは「お兄さんたちとは違う“新種”ですね」と言われたそう。模試でも今まで見たことのないE判定をとってくることもあり、周囲のほうがヤキモキ。お母さんは国語の長文を一緒に読んでみたり、兄たちは休日につきっきりで算数の解き方をレクチャーしたりするなど“家族総出”でサポートをしたといいます。 とにかく勉強をする環境だけは整えなければいけないと考えて、少しの時間でも塾の自習室に連れて行きました。けれども、兄が様子を見にいくと、ぼけっと窓から外を見ていた、なんてこともあり、成績は思うように伸びていきません。両親は「なにが違ったんだろう?小さい頃、上の兄弟に比べて読み聞かせをしなかったから? このままだと合格がもらえないかもしれない」と心配になり、「受験しなくてもいいんだよ? 無理してない?」と何度も声かけしたそう。でも本人は「絶対受験をする!」の一点張り。「勉強好きな友達がたくさんいる中学に行きたいんだ」という理由まで言われたら、無理やりやめさせるわけにもいかず、不安なまま受験期に突入することになりました。