シティ、米FBIなどが調査-制裁対象のロシア資産家との関係巡り
(ブルームバーグ): 米銀シティグループは、米制裁対象のロシア資産家との関係を巡り、 米政府機関の調査を受けていることが、事情に詳しい関係者の話で分かった。
非公開情報を理由に匿名で語った関係者によると、調査は司法省や連邦捜査局(FBI)、内国歳入庁(IRS)が実施。スレイマン・ケリモフ氏の資産を管理しているヘリテージ・トラスト向けのシティグループの業務が焦点となっている。ケリモフ氏は、ロシア政府の腐敗から利益を得ていると米当局が以前指摘した人物。
調査ではシティのマネーロンダリング(資金洗浄)対策や、金融犯罪防止に向けた同行の制度も精査対象となっている。
当局は近年、リスク管理と監督の不備を理由にシティに厳しい対応を取ってきた。7月には米連邦準備制度理事会(FRB)が、2020年の2件の同意命令を巡り改善が不十分だと指摘。同行は計1億3600万ドル(現在のレートで約210億円)の制裁金支払いを求められた。
同行の広報担当者は電子メールで配布した発表資料で「シティは、適用されるあらゆる法律・規制の順守を最も重視して全ての業務を実施することにコミットしている」と指摘。「同時に、残りの法的および規制上の義務履行に必要な業務を除き、ロシアでの法人向け銀行業務をほぼ全て打ち切る方向だ。ロシアの消費者向け銀行業務の閉鎖も進めている」と表明した。
約97億ドルの純資産を持つケリモフ氏は、ブルームバーグ・ビリオネア指数で293位。これまでに米国は、同氏らロシアのオリガルヒ(新興財閥)が所有する住宅を差し押さえている。
原題:Citigroup Probed by US Over Ties to Sanctioned Russian Kerimov(抜粋)
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Todd Gillespie