トヨタがF1の舞台で新世代を育成!ハースとの提携で実現する未来とは?
TOYOTA GAZOO Racing(以下、TGR)とハースは、F1車両開発分野などで基本合意書を締結したと発表した。フロントノーズ、リアウイング裏面などには「TGR」ロゴが貼られている。 具体的には、TGRの育成ドライバー、エンジニア、メカニックがハースのF1テスト走行に参加し、F1の空力開発、シミュレーション、カーボン設計・製造まで行い、世界最高峰のレースの現場で活躍し、培った技術や知見を市販車に反映できる「人材の育成」を目指すという。 登壇した高橋智也プレジデント(GAZOO Racing Company)は次のように語った。 ■高橋智也プレジデント(GAZOO Racing Company)のコメント全文 おはようございます!GAZOO Racing Company の高橋です。本日は、お集まりいただきありがとうございます。 皆様、いかがでしょうか?こちらのMoneyGram Haas F1 Team のレーシングカーには、TOYOTA GAZOO Racingのロゴが貼られています。 「トヨタF1復帰!」と思われた方がいらっしゃるかもしれませんが、そうではありません。 私たちTOYOTA GAZOO RacingはMoneyGram Haas F1 Teamと若手ドライバーなどの人材育成およびMoneyGram Haas F1 Teamの車両開発分野における業務提携に合意しました。 私からは、今回、なぜ業務提携をしたのか?について説明します。 私たちは、昨今、モリゾウこと会長の豊田の想いの下、レースの現場でクルマを「壊しては直す」を繰り返し、プロドライバーからのフィードバックを徹底的に市販車開発へ織り込む「ドライバーファーストのクルマづくり」を行ってきました。 そこで重要になってくるのが3つの要素、People、Pipeline、そして Productです。 Peopleは、ドライバーやエンジニア・メカニックの人材育成、Pipelineはデータ解析・活用術、Productは車両の開発です。 私たちは、今回の業務提携を通じて「People」をさらに強化し、MoneyGram Haas F1 TeamがF1で強みを持つ「Pipeline」を学び、「Product」の開発に活かしていきます。 これらPから始まる3つの要素のうち、「People」と「Pipeline」に関して、みなさまに補足説明いたします。 まずは「People」についてです。みなさまもよくご存じの通り、F1は世界最高峰のモータスポーツです。F1でのドライバー、エンジニア、メカニックの活躍は、子ども達にとって、夢や憧れ、目標となります。 将来の自動車産業を担う子どもたちに、そのような希望を与えることは非常に重要なことだと考えています。 そのために、TOYOTA GAZOO Racingは、MoneyGram Haas F1 Teamとともに、「ドライバー育成プログラム」を新設し、世界の頂点を目指すドライバーを育てていくことにしました。 具体的には、TGRの育成ドライバーがMoneyGram Haas F1 Teamのテスト走行に参加して、F1での走行経験を積みます。 この提携を通じて、将来的にF1のレギュラーシートを獲得できるようなドライバーを育成出来たら素晴らしいと考えています。 また今回、チャレンジするのはドライバーだけではありません。TGRのメカニックやエンジニアも世界最高峰のF1の舞台に、MoneyGram Haas F1 Teamの仲間として加わります。 具体的には、MoneyGram Haas F1 Teamから評価をいただいている私たちの「ものづくりの力」を生かしてF1レーシングカーの空力開発に参画し、極限の使用環境下を想定したシミュレーション、カーボン部品の設計・製造を行います。 続いて「Pipeline」について説明します。今回の提携を通じMoneyGram Haas F1 Teamが強みをもつ「データの活用術」、たとえば、レース中に収集する膨大なデータを世界のさまざまな拠点へ共有し、即座に解析、レースの戦略立案へタイムリーに活かすノウハウなどを学びます。 さて、ここまで「People」と「Pipeline」を強化する話を差し上げましたが、 これらは世界最高峰のレースの現場でMoneyGram Haas F1 Teamと共に戦うことで初めて培うことのできる技術や知見です。 その先に「Product」つまり、市販車へ学びをフィードバックできる人材が育つのだと信じています。