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話題の「尿1滴でがん検査」に医師が鳴らす警鐘 陽性の的中率5%? 数字で解き明かす課題

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 日本人の2人に1人が生涯でがんになると言われる時代。死因の1位でもあり、早期発見が重要とされる。費用と身体的負担が少ない「尿1滴でがんを検知」という新しい検査方法がメディアを賑わせている。しかし、誤った結果を示す場合も多いと考えられ、手放しで喜べる状況ではないという。ブログで警鐘を鳴らしてきた五本木クリニック(東京)の桑満おさむ院長に、解説してもらった。   *  *  *  *  *   ■これまでにない「尿1滴でがん検知」  「尿1滴調べるだけで、がんが判別できる」という検査が話題になっている。「線虫」という小さな生物が匂いに反応する性質を利用し、尿中のがんの匂いの有無によってがんの有無を判定するという。ベンチャー企業の「HIROTSUバイオサイエンス」が開発したN-NOSE。1月に実用化され、これまでにない画期的な検査方法であることには間違いない。  これまでのがん検査方法として有名なものは、血液検査の「腫瘍マーカー」がある。人間ドックでオプションとして調べたことがある人も多いだろう。これは1種類のがん、あるいは数種類のがんの存在を知ることができる。一方で、線虫を使ったがん検査は、5大がんをはじめ15種類ものがんに反応するため、がん検診のスクリーニング検査として期待されている。

  ■費用も、苦痛も少なく見える  15種類のがんを保険診療で調べることは現在認められていない中、約1万円という低コストで検査できる点も「尿1滴でがん検知」が魅力的に聞こえる一因だろう。  例えば、私が専門とする泌尿器科領域で、前立腺がんの診断補助に使用される腫瘍マーカーの一種「PSA(Prostate Specific Antigen/前立腺特異抗原)」は採血が必要で、費用は診察料・判断料・検査料を含めると5000円程度(保険診療の場合はこの1ー3割を自己負担、症状が無い場合は全額自費)。尿だけの検査となれば、患者の経済的負担、身体的な苦痛が少なく受け入れやすいとも考えられる。  これだけを聞くと、尿を使ったがん検査の実用化はよろこばしいように思われる。しかし、実際に日常の診察で使用することには、多くの医療関係者が問題点を指摘している。   ■15%のがんを見逃す危険性  N-NOSEでがんを見つけられる「感度」は、約85%だと公表されている。かなり高いように感じるが、実際に100人のがんにかかっている人を検査した場合、15人は「陰性」と判定され、がんを見逃してしまうことになる。

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