初出場19歳が銀…ミラノ五輪へ期待の千葉百音、念入り筋トレで弱点強化「ボディービルの人みたいに筋肉に敏感」
◆フィギュアスケート ▽GPファイナル 最終日(7日、フランス・グルノーブル) フリーが行われ、女子はショートプログラム(SP)2位から出た千葉百音(もね、19)=木下アカデミー=が、139・52点、合計208・85点で銀メダルを獲得した。2連覇を狙ったSP4位の坂本花織(24)=シスメックス=はフリーは3位で巻き返し、合計201・13点で3位表彰台入り。GPシリーズ上位6人で争うファイナルに、日本勢は過去最多の5人が出場したが優勝はならなかった。アンバー・グレン(25)=米国=がSP、フリーともに1位でそろえ、米国出身選手が14年ぶりに制覇した。 【写真】銅メダルの坂本花織と2ショット 急成長を遂げる千葉が、勢いのまま初の銀メダルをつかんだ。昨季シニアに転向し、四大陸制覇、世界選手権出場と着実に世界の大舞台で経験を重ね、今度はGPファイナルで過去最多5人が出場した日本勢で最高の2位。「うれしいのは確か」と喜ぶも「もっといい演技をして2位になりたかった」と内容には決して、満足はしていなかった。 首位と僅差で迎えたフリー。名前と重なるような美しい音色に乗って、冒頭から流れるように連続3回転を成功。後半にも3回転ルッツからコンビネーションを降りた。耐えるジャンプもあったが、スピン、ステップでは最高のレベル4を並べた。「全体的にまとめることができたのは成果」。これで3戦連続合計200点超えの大台突破となった。 五輪連覇した羽生結弦さんらを輩出した仙台市のリンクで4歳から競技を始めた“後輩”スケーター。シニア2年目を迎えた今季は筋トレにも念入りに取り組み、体幹、お尻、下半身と弱点を徹底的に鍛えた。おかげで「ボディービルの人みたいに筋肉に敏感になった(笑)」と千葉。体の変化に苦戦しつつも「ジャンプの滞空時間が若干伸びた」と手応えも。なめらかで繊細な動きの中に、少しずつ力強さも生まれ、19歳は進化し続けていく。 次は20日開幕の全日本選手権(大阪)に挑む。今大会では背中を追ってきた坂本を上回る好成績も「もっともっと上を目指していかないといけない」と表情を引き締めた。次のミラノ五輪に期待の千葉が、今度は初の全日本女王の座を射止めに行く。 ◆千葉 百音(ちば・もね)2005年5月1日、仙台市出身。19歳。宮城・東北高卒、早大1年。4歳から競技を始める。23~24年シーズンにシニア転向し、木下アカデミーに移籍して、浜田美栄コーチに師事。全日本選手権は22年5位、23年2位。四大陸選手権は24年優勝、23年銅メダル。24年世界選手権7位。身長155センチ。
報知新聞社