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テレワーク導入率は47%に増加。在宅ワーク継続による住まいのニーズ変化も。

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SUUMOジャーナル

リクルート住まいカンパニーでは、2019年11月に引き続き、今回は「緊急事態宣言」真っただ中の2020年4月(17日~20日)にテレワークの実態調査をWebで実施した。その結果、テレワークの実施者が増加し、住まいの意識についても変化が現れたことが分かった。詳しく見ていこう。 【今週の住活トピック】 「新型コロナ禍を受けたテレワーク×住まいの意識・実態」調査を発表/リクルート住まいカンパニー ■テレワークとリモートワークは同じ?緊急事態宣言でどう変わった? 最近は、「テレワーク」のほかにも、「リモートワーク」や「在宅勤務」など、さまざまな言葉が使われているので、最初にこれらの言葉について、確認しておこう。 一般社団法人日本テレワーク協会によると、テレワークとは「tele = 離れた所」と「work = 働く」をあわせた造語だという。働く場所によって、自宅=「在宅勤務」、顧客先や移動中=「モバイルワーク」、施設=「サテライトオフィス勤務など」の3タイプに分かれる。 一方、リモートワークは、「リモート=遠隔」「work = 働く」なので、テレワークとリモートワークは、ほぼ同じと考えてよいだろう。 リクルート住まいカンパニーでは、テレワークについて、2回の調査(スクリーニング調査・本調査)を行い、その実態を調べた。最初のスクリーニング調査は、関東地方・長野県・山梨県に居住する20~64歳までの会社員・公務員を対象とし、テレワークを少しでも実施していると回答した人を「テレワーク実施者」と定義、さらにテレワーク実施者のうち「実施率が10%以上」の人を「テレワーカー」と定義した。2回目の本調査は、このテレワーカーを対象に行った。これを前提に、調査結果を詳しく見ていくことにしよう。 まず、スクリーニング調査によるテレワーク実施率(対象は会社員・公務員のみ)は、前回の17%に対して、今回は47%と30ポイントも増加した。このテレワーク実施率は、年代別や世帯構成別よりも、企業規模別のほうがその差が大きく、企業の規模が大きくなるほど実施率が高くなっている。しかし、それ以上に差が大きいのが、職種別だ。 「企画/マーケティング」「web/クリエイティブ系」「営業」「エンジニア」など、職場に行かなくても働ける業務が多い職種での実施率が高く、すべての職種で前回調査より増加している。 この傾向は、東京都が実施した「テレワーク導入率緊急調査結果」とも合致している。東京都内の従業員30人以上の企業では、「テレワーク導入率」は3月時点で24.0%だったが、4月時点では62.7%に増加し、特に従業員規模別で企業規模が大きいほど導入率も高くなった。さらに導入率を業種別で見ると、事務・営業職などが中心の業種で約34ポイント増の76.2%に、現場作業・対人サービス業務などが中心の業種で約40ポイント増の55.0%に達し、いずれも3月より4月で増加している。 このことから見ても、テレワークを導入する企業が確実に増加しているのは、間違いないようだ。 次に、リクルート住まいカンパニーの調査結果から、テレワーク実施者の実施時間を見ると、その時間も長くなっている。テレワーク実施者の29%が業務実施時間の90%以上でテレワークを実施しており、前回は実施者の48%が実施時間割合10%未満だったことと比べると、実施している人数だけでなく、実施している人の業務時間内に占める割合も拡大していることが分かる。 注目したいのは、本調査のテレワーカー(仕事時間の10%以上をテレワークで実施している人)のうち71%が、「コロナの影響でテレワーク(リモートワーク)を始めた」と回答していることだ。「緊急事態宣言」によるテレワークの推進が、働き方を大きく変えていることがうかがえる結果だ。 ■テレワークの拡大で、マイホームのどこに不満を感じる? 新型コロナウイルスの影響によるテレワークで最も増えているのが、在宅勤務だろう。これまで仕事をする場所ではなかった自宅が、いきなり職場に変わって戸惑っている人も多いことだろう。 本調査でテレワーカーに不満を聞いたところ、不満/不便を感じる項目として最も高いのは、「オンオフの切り替えがしづらい」で35%だった。次いで「仕事専用のスペースがない」「仕事用のデスク/椅子がない」などが続いた。 ただし、家族構成が「既婚で6歳以下の子どもと同居する」人に限定すると、半数近くの46%が「子どもを見つつ仕事可能な環境(部屋・スペース)がない」に不満が集まった。小さい子どもからは目が離せない一方で、仕事にも集中しなくてはならないというジレンマがあるのだろう。 また、テレワークをしている場所を聞くと、過半数の55%が「リビングダイニング(ダイニングテーブル)」と回答しており、家族構成が「既婚で6歳以下の子どもと同居する」人に限定するとその割合は71%にまで上がる。 なお、テレワークをしている場所としては、新型コロナウイルスの影響で、移動や3密が発生する「カフェ」や「コワーキングスペース」「サテライトオフィス」などは前回調査と比べると減っている。 ■今後もテレワークを継続したい!自宅の間取り変更や住み替えも検討? では、コロナ禍終息後も、テレワークを続ける意向はあるのだろうか? 「テレワークを継続したい」人の割合は全体で84%と高く、そのうち「働いている時間の10%~70%で実施したい」人が59%(10%~30%で実施したい:19%、30%~50%で実施したい:22%、50%~70%で実施したい:17%)だった。 「今後もテレワークを行う場合、自宅の間取りを変更したいか」を聞くと、「変更したいことはない」が52%を占める反面、「仕事専用の小さな独立空間が欲しい」(31%)、「リビングの一角を間仕切り可能な仕事スペースにしたい」(13%)など、仕事に集中できるような間取り変更を希望する人も多い。 さらに、「今後も引き続きテレワークを行う場合、今の家から住み替えを検討するか」を聞くと、24%に住み替え意向があり、住み替える家の希望条件として、「今より部屋数の多い家に住み替えたい」 (40%)や「今よりリビングは広くしたい、かつ個室数も確保したい(ただし個室は狭くてもよい)」(27%)など、間取りに関する希望が挙がった。また、「通勤利便性より周辺環境重視で住み替えたい」(26%)や「周辺に大きな公園や緑地があるところに住み替えたい」(13%)など、立地に関する希望も挙がっている。 最後に、SUUMO編集長の池本洋一さんが、「在宅ワークを快適にするための住まいでできる3つの工夫」を紹介している。参考にしてほしい。 さて、新型コロナ禍を契機に、終息後もテレワークが拡大することが見込まれる。そうなると、自宅と職場の垣根が薄れる一方、通勤や満員電車から解放されることもあり、立地や間取りなど住まい選びの考え方にも大きな変化が生じそうだ。今後の住まいのあり方に注目していきたい。

山本久美子

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