Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

『窮鼠はチーズの夢を見る』と『スペシャルズ! 政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話』9月11日公開のオススメ映画2本

配信

  • この記事についてツイート
  • この記事についてシェア
Suits-woman.jp

水城せとなによる漫画を、行定勲監督が実写映画化した『窮鼠はチーズの夢を見る』と、『最強のふたり』の監督による、実話を元にした最強の人間ドラマ『スペシャルズ! 政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話』。この週末は映画館三昧! 『窮鼠はチーズの夢を見る』 (配給:ファントム・フィルム) ●原作:水城せとな「窮鼠はチーズの夢を見る」「俎上の鯉は二度跳ねる」(小学館「フラワーコミックスα」刊)●監督:行定勲 ●脚本:堀泉杏 ●出演:大倉忠義、成田 凌、吉田 志織、さとう ほなみ、咲妃 みゆ、小原徳子 ほか ●9月11日(金)全国公開 (c)水城せとな・小学館/映画「窮鼠はチーズの夢を見る」製作委員会 【あらすじ】 不倫を疑った妻から浮気調査をされた大伴恭一(大倉忠義)は、その調査員として、大学時代の後輩である今ヶ瀬渉(成田凌)と7年ぶりに再会する。「報告書を奥様に見られたくなかったら、アナタの身体と引き換えで」という今ヶ瀬の申し出に、「キスだけなら」と応えてしまう大伴。「昔からずっと好きだった」と想いを告げられた大伴は今ヶ瀬のペースに飲まれ、一緒に暮らすことになるが……。

男と男の、普遍的で危険なまでに純な愛

『ナラタージュ』『劇場』の行定勲監督が大倉忠義&成田凌を主演に据え、ラブストーリーを撮る。めっちゃそそるなそれ!と思わせる組み合わせです。恋愛というものが孕む命懸けの危うさ、ハッピー!だけじゃない光と陰を、緻密な演技を積み重ねて描く行定監督。ここ数年は“恋愛映画の巨匠”みたいになってます。それで、大倉忠義はもちろん立ってるだけで画になる人です。成田凌は一足飛びに俳優としての地位を固め、テレビに映画に、作り手から引っ張りだこの売れっ子。その化学反応、い~ね~!彼らの紡ぐ恋愛に、どっぷりとハマる気満々になります。 『窮鼠はチーズの夢を見る』の主人公は大倉演じる大伴恭一と成田凌演じる今ヶ瀬渉。大伴はかなりやっかいな男です。その見た目の麗しさもあって、学生時代からモテモテ。恋愛は基本、受け身です。自分を好きになる女性を拒否することなくコロリと落ち、それっぽいわりと薄っぺらなやさしさで愛されることを受け入れるけど、女の側はされるがままで手応えを感じられない大伴のありようにやがて不満を募らせ、愛される実感を得られないことに地獄の苦しみを味わい、自分から去っていく。大伴からしたら、ポイ捨てされた気になり、またつぎに彼を好きになる人が現れるまでぽけっと生きています。優柔不断で全然男らしくなくて、保身には積極的。上品で誠意を感じさせるけど、奥底にわけのわからない情熱の気配を感じさせる……。こんな男にハマるのは危険です。 それにまんまとハマったのが今ヶ瀬渉です。ゲイで、大学時代から大伴一択。もちろん彼もまた見た目が美しいので付き合う相手には事欠きませんが、その心はじ~っと、大伴だけを愛し続けます。絶対に諦めないし、その懐に飛び込んだらもうとことん尽くす。大伴に寄ってくる女には敵対心丸出しで食ってかかり、どんなときでも捨て身で彼を愛し抜きます。受け身オンリーなノンケだった大伴でなくても、今ヶ瀬のような純度でギリギリの愛し方をされたら、よろめくのも仕方ないかも、と思わせるのです。 大伴演じる大倉忠義にしてみたら、それは最初から負け戦が決まった勝負にも思えます。今ヶ瀬は恋する人間の強さやもろさ、底なしのエネルギーに翻弄されてへとへとな状態を体現する、めっちゃやりがいのあるキャラクター。それを成田凌はちょっと驚くような繊細さと的確なツボのつき方で表現していきます。もう圧倒的にカワイイ。大伴は表面上ただその人として存在していて今ヶ瀬の激情をひたすらに受け入れていくキャラクターですから、なんだか止まって見えるよう。でもそれを堂々とやりぬくところに静かな気迫を感じます。 映画を観ていて、なんとなく『ベティ・ブルー』を思い出しました。全然似てないのに。つまりそれは男同士だから、ということに力点が置かれているわけではない、普遍的で危険なまでに純な愛を描いているということでしょう。

【関連記事】