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NASAが宇宙で使える「トイレ」の革新的なデザインコンセプトを募集中

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人間は生存するために酸素、水、食料を必要としますが、同時に不要なものを体外へと排出しています。呼気には二酸化炭素が含まれていますし、排泄のためトイレにも入りますが、それは宇宙飛行士にとっても同じこと。月の南極域という人跡未踏の地に降り立っているあいだにも、1日に何回かはトイレを利用することになります。

■アルテミス計画の月着陸船に搭載されるトイレを想定

NASAでは現在、宇宙で使われるトイレのデザインコンセプトを募集する「Lunar Loo Challenge」を開催しています。Lunar Loo Challengeは技術部門(18歳以上)とジュニア部門(18歳未満)に分かれており、両部門ともに個人またはチームで参加可能。どちらも優秀なデザインが3点ずつ選出され、技術部門の受賞者には総額3万5000ドルの賞金が用意されています。 募集されているのは月面の低重力環境および無重力(微小重力)環境の両方で機能するトイレで、2024年の有人月面探査再開を目指す「アルテミス」計画の「有人着陸システム(HLS:Human Landing System)」に搭載されるものを想定。公開されている仕様では1日の使用回数や1回あたりの収集物の量(排泄物のうち小は最大1リットル、大は500gなど)も指定されており、体調不良時の下痢や嘔吐にも対応することが求められています。さらに、システムに障害が発生しても宇宙飛行士が晒されることがないよう排泄物は保管された状態が維持されねばならず、もちろん障害によって空気が外に漏れてしまうような事態も避けねばなりません。 地球のトイレでは重力が利用できますし、月面でも利用できることが期待されますが、月面滞在前後の飛行中は重力がほぼゼロとなるため、宇宙では貴重な水を節約しつつ重力に頼らない方法で排泄物(場合によっては吐瀉物)を集め、保管あるいは廃棄するための仕組みを備えなければなりません。その上で、着陸船内の限られた空間に設置するためにトイレの容積は0.12立方m以下、質量は地球上で15kg以下と制限されており(参考として一般家庭用の標準的なトイレは30~60kgと案内されています)、60デシベル以上の動作音や悪臭を抑えることも求められています。 なお、応募の際には英語が必須であるものの、Lunar Loo Challengeの技術部門とジュニア部門はどちらも米国内のみならず世界中(一部地域を除く)から応募することが可能です。応募の締め切りは日本時間で2020年8月18日6時となっています。

松村武宏

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