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「ヒゲダン」のすごさ 自ら代表曲を更新(川谷絵音)

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NIKKEI STYLE

今回は番外編として、2020年上半期の音楽シーンをまとめていこうと思います。 まず上半期のアルバムチャートは圧倒的だった。King Gnuの『CEREMONY』が39万枚という驚異の数字。社会現象並みの数だ。リリースのタイミングも『NHK紅白歌合戦』明けで完璧。昨年リリースしたヒゲダン(Official髭男dism)との差はタイミングだろう。ヒゲダンも『紅白』明けにリリースしていたら、また違ったことになっていたかもしれない。 ただ、タイミングだけではなくKing Gnuのメンバーのスター感は、他のバンドを寄せつけなかった。『情熱大陸』(TBS系)での画の映え方も、井口(理)くんのラジオやSNSの注目度も段違いだった。その存在感に高い演奏力と常田(大希)くんのソングライティングのセンス、もう笑うしかない。 一方で、ヒゲダンは『I LOVE…』というシングルで、また違う景色を見せた。ストリーミング史上最速の15週で1億再生を突破して、ビルボードの20年上半期チャートで堂々の1位。自身の大ヒット曲である、あの『Pretender』を抜いたのだ。これの何がすごいか。 例えばトップ20の中には、あいみょんでさえ12位に『マリーゴールド』が入っているだけだ。『マリーゴールド』は18年の曲であり、そのロングセールスには目を見張るものがある。しかし、それ以降代表曲を更新できてはいない。そして、ビルボードチャートの3位は昨年2月に発表したKing Gnuの『白日』だが、彼らもトップ20の中には昨年末にリリースした『Teenager Forever』が13位に入っているにとどまった。代表曲というのはそのアーティストの名刺そのものであり、新譜旧譜が関係ないストリーミング時代だからこそ、超えることが非常に難しい。それはこのランキングが物語っている。そんななかでヒゲダンは代表曲を更新したのだ。 20年上半期最後のビッグニュースは、RADWIMPSのストリーミング解禁だろう。始まるや否や、数々のチャートを席巻した。高校生の時から聴いている僕も、これはうれしいニュースであったし、RADの影響力の大きさを再確認した。そしてこの大物アーティストの参戦で音楽ビジネスがストリーミングに完全移行する流れが、かなり明確に見えてきた。またコロナの影響もあり、以前のような握手券などの特典での、CD複数買い商法が厳しくなってきたこともあって、20年下半期はCDのセールスはさらに減り、ストリーミングの収益が増えるだろう。

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